右足粉砕骨折のタイガー・ウッズは復活できるのか…71年前にベン・ホーガン氏の事故から奇跡復活例も「引退の恐れ」の声
英BBCも「ウッズはゴルフ界で最も偉大なカムバックの1つをすでに果たしている。現在、45歳のゴルファーが再びプレーするということはもちろん、単純に完全な健康を取り戻すためにとてつもなく大きなチャレンジに直面している。大規模な整形外科手術の後の長期的な回復の見込みについてはまだ明かされていない」との厳しい見立てをしている。 同メディアは、1949年2月にグレイハウンドバスと正面衝突する自動車事故を起こし主治医から「ゴルフどころか二度と歩けない」と診断される大怪我から奇跡の復活を果たしたメジャータイトル9度制覇の“ビッグベン”こと故・ベン・ホーガン氏の例を出した。 「伝説のテキサス出身のゴルファー、ホーガンは、その大事故で二度と歩けないかもしれないと言われた。彼は左足首、骨盤を2カ所、鎖骨を骨折、肋骨が欠ける大怪我を負った。だが彼は1年以内に競技に復帰した。皮肉にも、それはウッズが先週末に大会ホストを務めていたロサンゼルスのリビエラのコースだった」 ホーガン氏は、自動車事故からわずか11か月後のロサンゼルス・オープンでトーナメントに復帰して2位に入った。何かを暗示するかのようにウッズは、その会場だったザ・リビエラカントリーで先週末にPGAツアーイベント「ジェネシス・インビテーショナル」を主催している。 ホーガン氏は、さらに5か月後の全米オープンで優勝。この後もホーガン氏は、事故で痛めた片足を引きずりながらプレーを続け、6つのメジャー大会を含むPGAツアー 12勝をマークしている。 同メディアは、そのホーガン氏とウッズを比較。 「ウッズのキャリアとホーガンを簡単に比較することはできないが、ウッズの強情なほどの決断力、逆境を乗り越える力、ゴルフ界での支配力を考えると、ホーガンのキャラクターと、その偉業に匹敵するものがある。だが、ホーガンが自動車事故に見舞われたときは36歳だった。ウッズは45歳で、故障を繰り返し、すでに数えきれない時間、月日をリハビリや回復に費やしてきた。その点を考慮すると、我々は“これが最後(引退)になるのではないか”と恐れざるを得ない」との悲観的な意見を述べた。 同メディアは、米国の有名スポーツコメンテーターであるスキップ・ベイレス氏の「ウッズは、私が知るNFL選手の誰よりも故障と戦ってきた。もしこのひどい足/足首の怪我から復帰して、またメジャー大会で勝つことができる人間がいるとすれば、それはウッズだ。歴代最高の精神力/体の強靭さを持つ。彼を応援しよう」との激励のツイッターを紹介しながらも、厳しい見通しを伝えている。 「だが、これは極端に楽観的なメッセージのように感じられる。このゴルフ界の偉人(のウッズ)が再びプレーするのであれば、新たな苦難の道のりで、多くの戦いに勝利を収めなければならない」 おそらくこの見方がウッズに今突きつけられている現実だろう。もし復活を果たせば、それはベン・ホーガン氏の物語を超える“スポーツ界世紀の奇跡”と称されるものになる。