なぜウッズは選手生命危機の横転大破事故を起こしたのか…ブレーキ痕なく飲酒、薬物使用兆候も見られず…番組収録に急いでいた?
メジャータイトルを15回も制覇しているプロゴルファーのタイガー・ウッズ(45)が米国ロザンゼルス郊外で起こした車の横転、大破事故の詳細が徐々に判明している。ESPNやロサンゼルスタイムズなどの複数のメディアによると、ウッズの命に別状はないが、足首の複雑骨折を含む複合骨折を両足に負っており、4月に復帰計画を練っていたマスターズ出場はほぼ絶望的。また事故原因は調査中だが、下りの急カーブの現場にスリップ痕やブレーキ痕はなく当局の調べではアルコールの臭いや薬物使用などの兆候は何も見つからなかったという。 ウッズはディスカバリ―の動画配信サービス「ゴルフTV」のレッスン番組の収録のためローリングヒルズカントリーに向かっていたとみられる。同番組でNFLの2人のQBと共演予定だったという。 ロサンゼルス郡保安官事務所のアレックス・ビジャヌエバ氏の会見によると、横転事故は23日の午前7時過ぎにロサンゼルスのダウンタウンから南へ約30マイル(約48キロ)離れたローリングヒルズ・エステーツとランチョ・パロス・ベルデスの境界線で起きた。道路は2車線でウッズが運転していた北行き車線は下りの急カーブとなっており制限速度は45マイル(72.5キロ)。 ウッズが運転する中型のSUV(2021ジェネシス)は、最初に中央分離帯に接触、その後、南行きの2車線を横断し、縁石と木にぶつかって数回、横転した。車両は最終的に道路から数百メートル転がり落ちてストップした模様。ビジャヌエバ氏の説明によると、スリップ痕もブレーキ痕もなく、天候などの影響もなかったという。 当局は、ウッズの推定スピードを明らかにしなかった。だが、事故現場からの911番通報により、最初に現場に到着した同保安官事務所のカルロス・ゴンザレス副長官の説明によると、現場は、時速80マイル(約129キロ)を超えるスピード違反が多々ある場所で、スピードの出し過ぎにより車を制御できなくなった可能性が想定されるという。 ゴンザレス副長官が到着したとき、その場に駆けつけていた人々が「まだ運転手は車内にいる」と訴え、ゴンザレス副長官は割れたフロントガラスの間から頭を突っ込んでシートベルトをした状態のウッズを確認。同時に「今日は何日かわかりますか?」「今どこにいるかわかりますか?」との質問を投げかけた。ウッズの意識はハッキリとしており、「タイガーは明快に私に返事をすることができた。彼は、信じられないほど落ち着いているように見えた」と、ゴンザレス副長官は証言。消防局の救急隊員がフロントガラスを割り、斧のようなものを使ってウッズを救出。ただちにハーバーUCLA医療センターへ運ばれ緊急手術が行われた。エアバッグが機能しており、ゴンザレス副長官は、「ウッズ氏が生きて出てきたことは奇跡だ」と語っている。 その間、ウッズのアルコールの臭い(飲酒)や薬物使用の可能性などがチェックされたが、何の兆候も見つからなかったという。ビジャヌエバ氏は、ウッズの横転事故の調査を完了するには数日から数週間かかると語った。