大神いずみ「野球少年の息子たちに、父・元木大介は〈道具の大切さ〉を教え込む。シューズの砂を出してなくてスタメンを外される世界」
◆理想の動線の家 自分の運転で我が家に到着。 ここでいつもいつもいつも、わたしが家に上がるとき頭に思い浮かべる、わたしにとって理想の動線の家をご紹介したい。 まず車を降りたところから家に入る間口へのアプローチ、靴を脱ぐより前に全身や野球道具、持ち物一式についた土や砂をザラザラザラーっと落とせるスペースがあって,そこはあとで落ちた埃をジャーッと水で流せる仕組みになっている。 そしてそこを通り過ぎた左手には野球道具置き場、右側には脱衣スペースと簡単なシャワールーム、その奥で家の風呂場と洗濯機に繋がっている。 ああ、そんな家だったらどんなに快適か! 生まれ変わって家を建てたら絶対そんな作りにしたい。 …ん、また野球母なのか? とにかく、 家に帰ってから靴を脱いで家に上がる前に、ある程度の埃を払って全身の汚れを軽く洗い流してから家の中に入りたいのだ。 息子たちにはいつも口うるさく言っているのだが、掃いても掃いても掃いても、家の中にはどうしても土が入り込んでしまう。 「車から降りたら着ているものを全部脱いで家に入っといでー!」 車庫の中で脱ぎ家の中に抱えて入ってきた練習着や野球バッグはド…ロドロ、砂をいっぱい含んでいて歩くたびにバラバラと家じゅうに振り撒かれる。毎度毎度ひぃぃいいい!!である。 どういうわけか掃いても拭いても掃いても拭いても、家の中はいつもなんだか埃っぽい。
◆全部サッパリ洗ってしまいたい そういう私も、頭から鼻や耳の中までジャリジャリと埃だらけだ。むかし小学校の頃だってこんなに泥んこになって遊んでいた女子ではなかった。ジンセーとはわからないものだ。50を超えてこんなに腕白な母親になっていようとは。 わたしの持ち物もクーラーボックスからリュックや帽子、全身着ていたものに首に巻いていたタオルなどすべて、このまま油で揚げてもいいんじゃないかというほど、薄く均一に粉を叩いたような埃まみれになっている。 ザブザブザブザブ。 もうなんでもかんでも全部サッパリ洗ってしまいたい。 でもまずは疲れていて白目を剥いてでも、腹ペコたちに肉を炒めて白飯をよそい、洗濯機を回しながら弁当箱や水筒を洗い… 野球のある日は朝も早いが、やることが多すぎて帰宅してからもなかなか落ち着けない。 なのでザラザラと家の中に運び込まれた土やホコリ… もう、掃除は明日でいいですか。 全てを片付け自分もサッパリして一杯のシュワシュワにありつけた頃には、いつのまにか食卓に突っ伏して寝てしまうこともたびたびだ。 野球の一日は、なんだか長い。 息子達はと言うと、ザッ(道具バッグ置いて)!ザッ(靴脱いで)!ザッ(練習着脱いで)!ダンっ(風呂場の戸を閉める)! …そういうわけでもない。 我が家はダン!の前に、玄関の土間でスパイクとグローブを磨くことになっている。 何より野球道具の手入れとストレッチをして一日を終われ、というのが父・元木大介の教えだ。 野球は道具がなければできないスポーツ。どんなに技術や根性があっても、道具を粗末に扱うヤツは絶対に上手くならない。 いつものことだけれど、父親は今日のヒットやホームランを褒めるより、道具を磨かないで一日を終えようとすることを厳しく叱り飛ばす。
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