ヤクルトは「昭和×令和」で第二の山田哲人や村上宗隆を育成 猛練習&テクノロジー融合の壮絶メニュー
「1日1500スイングを超えるメニューになっています。団体で動いているので、時間の兼ね合いもありますけど、時間があるんだったらもっと振ってもいい。自分の限界まで行ってほしい。選手が自分にブレーキをかけるのは当たり前のことなので、そうさせないように、選手の限界を引き出す環境をつくっていくことが大事だと思っています」 第1クールは5日間の長丁場で、選手にとってバッティングだけの日は"地獄の一日"となった。屋内練習場では、次々と膝をつき、仰向けになる選手たち。練習が終わり、宿舎に戻るタクシーを待つロビーは、さながら"野戦病院"のようだった。 選手たちはマメが潰れ、ボロボロになった手のひらを見せあっては力なく笑い、入団2年目組の西村瑠伊斗は「もう無理」といつもの強気な姿はなく、北村恵吾も「明日はウエイトと守備の日ですけど、明後日のことを考えると今から怖いです」と苦笑いを浮かべた。橋本星哉も「まさかこんなことになるとは思わなかったです」と、顔をしかめた。 「自分は体の強さには自信があって、『僕ができなければ、ほかの人もついてこられないだろう』みたいな気持ちでキャンプに入ったんですけど、最初の振り込みで肩、広背筋、太ももと全部攣(つ)って......。感情を表に出さないタイプなのですが、本当に無理でした」(橋本) 【逃げられない状況をつくる】 今年一軍でプレーした選手たちは、それなりに余裕があるように見えたが、並木秀尊は「振り込んだ次の日は手に力がはいらないというか、ストレッチで足を持つのもしんどい。こんな感覚は人生で初めてでした」と笑った。 また丸山和郁は、次のような感想を述べた。 「最大出力で振るなかで、ペースは早いし、先が見えないので心が折れそうになりました。マジで苦しかったです。でも、この時期は"量"が圧倒的に大事なんで。短い時間で集中して振り込むことは、すごくいいことだと思います」 今シーズン、キャリアハイとなる96試合に出場した丸山は、この秋季キャンプで土台づくりのために試行錯誤を繰り返した。