貯金10万で開業した士業が語る資金準備の正解 (横須賀輝尚 経営コンサルタント)
『資格起業バイブル(横須賀輝尚 著)』
大企業に勤めていても副業が推奨される今、起業に興味を持つ人は増えています。そんな中、常に注目されているのが資格の取得。すでに資格を持っている人はもちろん、資格を取って独立したい人や資格に興味がある人に必読のQ&Aを、経営コンサルタントで士業(特定行政書士)でもある横須賀輝尚氏の著書「資格起業バイブル」から、再構成してお届けします。
■士業事務所の給料は決して高くない
『Q.士業事務所で実務を覚えつつ給料も貯めて、効率良く開業資金をつくろうと考えています。 開業資金を貯めるために、士業事務所で働きながらお金を貯めたいと思います。この方法はいかがでしょうか? また、横須賀さんはどのようにして、開業資金をつくったのでしょうか?』 士業事務所で働きながら資金を貯めるのは、なかなか簡単なことではありません。繰り返しになりますが、給与は決して高くなく、それでいて高い能力を求められます。そういう意味では、士業事務所で働くことは実務を覚えられるというメリットがあるものの、資金の貯め方としてベストとは言い切れません。 そこで、資金を貯めることと、士業事務所に勤めて実力をつけることを分解して考えてみてはいかがでしょうか。 まず資格を取る段階では、比較的時間の拘束がない仕事を選びます。そして開業資金を貯める段階では、時間的拘束があっても比較的給与の高い仕事を選択するのです。このように段階を経て開業資金を貯めるのもひとつの方法です。 しかしながら、こういった方法にはひとつわかりやすいデメリットがあります。それはすでにおわかりだとは思いますが「時間がかかってしまう」ということです。 仮に100万円貯めるとしても、月に給与から5万円貯めたとして、少なくとも20ヶ月、つまり、1年8ヶ月かかってしまうわけです。順当に行けばこの期間で貯まりますが、病気やケガなど急な出費があれば、途端にその計画は頓挫してしまいます。そのため、計算しにくい方法ともいえます。では、どのように考えるのがベストでしょうか。