<一球入魂・’22センバツ木更津総合>第4部 戦力分析/上 投手陣、制球力光る /千葉
◇凡ミスしない、チームに手応え 18日に開幕する第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)に向けて練習に打ち込む木更津総合の投手・守備力、攻撃力を2回に分けて分析する。 2021年の秋季県大会と関東大会は2人の右腕が中心となって投げ抜いた。チームを率いる五島卓道監督は「投手には負けず嫌いなくらいの強い勝ち気を求めている」と話す。技術面では「コントロールをよくするためには手先の器用さも必要」という。同校OBでプロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスの早川隆久投手ら球界で活躍する選手を育ててきた五島監督は、練習に打ち込む投手陣を見つめながら「研究熱心なところが似ている」と語り、「負けない気持ちで球種を増やしたり、制球を磨いたりしてほしい」と期待をかける。 エースナンバーを背負う越井颯一郎(2年)は右上手からの最速146キロの直球が武器で、高速スライダーも強みだ。テンポの良い投球で試合展開を序盤から握る。秋の公式戦は9試合に登板し、防御率0・93をマークした。四死球は10で制球力も光る。 もう一人の右腕・金綱伸悟(同)は五島監督が「多彩な変化球は制球がよく、マウンドさばきも落ち着いている」と評価する。磯辺との秋季県大会初戦では打たせて取る投球で完封し、好発進に貢献した。 野手のポジションについては、社会人野球の監督経験もある五島監督の信念が反映されている。プロ野球や社会人野球の選手は、一つのポジションを突き詰め、極めることを求められるが、高校野球は「いわば未完成のチーム」と表現する。一人一人が日々成長を続ける中で、それぞれの特性とチーム全体のバランスを見ながら、思い切ったポジション変更を行うこともあるという。 新チーム発足前は一塁を守ることが多かった山田隼(同)は、俊足を生かせる中堅手に変わり、一塁手には中学時代に内野手の経験があった芦川正真(1年)が充てられた。新型コロナウイルスの感染拡大も、チーム作りに影響を与えたといい、五島監督は「一部の選手が欠けた状態で試合に臨まなければならない可能性もある。より多くの選択肢を考えるためには、1人二つのポジションを守れるくらいが良い」と言う。 木更津総合は、投手を中心とした堅守でリズムをつかんできた。五島監督は「これまでのチームに比べ、簡単なミスをしない点では上の方にある」と手応えを感じている。【長沼辰哉】