明日メキシコ戦…吉田麻也が語る「W杯ベルギー戦の負けから2年。日本に軌道修正する力はついたのか」
そして、同じ図式が当てはまるメキシコは11位につける最新のFIFAランキングだけでなく、7大会続けてベスト16に進出しているワールドカップでの軌跡も含めて、2018年9月に船出した森保ジャパンが32試合目にして対戦する最強のチームになると言っていい。 オーストリアで行われた14日の韓国代表戦では、1点を追う後半22分から4分間で3ゴールをあげる猛攻を演じて3-2で逆転勝ちした。ヘスス・コロナ(ポルト)、昨シーズンの英プレミアリーグで17ゴールをあげたラウール・ヒメネス(ウォルバーハンプトン)、ロシアワールドカップのドイツ代表戦で決勝点を奪ったイルビング・ロサーノ(ナポリ)が形成する3トップは超がつくほど強力だ。 日本戦を中2日で迎える関係で、メキシコが主力組を先発させるかどうかは未知数だ。しかし、ミスから失点した韓国の動揺を見逃さず、一気にたたみ掛けたメキシコのチーム全員が共有しているしたたかさ、集中力の高さを、吉田は「自分たちの立ち位置を把握できるチャンス」と受け止めている。 「やってはいけないミスを韓国が犯してしまった、という印象はありますけど、逆に言えばああいうミスから得点していく能力があるということ。自分たちがやろうとしているところでミスが起こることは把握しているし、そこでいかに失点を防げるかが明日のカギを握るんじゃないかと思っている。しっかりとパスを繋げるのか、カウンターから攻撃できるのか、そして守備が耐えられるのか。いろいろな側面で見ることができる試合だし、僕自身も楽しみにしています」 ロシア大会のベルギー戦を終えた後に、吉田は「積み上げていきたい」という言葉を繰り返した。代表に招集される選手個々が経験値を上げ、チームに還元しながら成熟度を増していく。その過程で足りないと痛感した、プレーする選手たちの状況判断力や修正力が磨かれていくと未来を見すえた。 「組み合わせなどラッキーな部分で(グループリーグを)突破する可能性があるとしても、その次へ行くには本当の実力がないと難しいとベルギーとの試合で感じたので。現状で多くの選手がそういう(ヨーロッパの)舞台でしのぎを削っていると考えると、悪くはないんじゃないかな、と」 悲願と位置づけられている、ワールドカップのベスト8以降の世界へ足を踏み入れるために。新型コロナウイルス禍であるがゆえに実現したメキシコ戦へ、検疫の関係で国内組を招集できない状況でもヨーロッパで奮闘する選手だけでチームを編成できた森保ジャパンが、2022年11月に開催されるカタールワールドカップへと繋がる道の中間地点で、船出から取り組んできた成果を試される。 (文責・藤江直人/スポーツライター)