明日メキシコ戦…吉田麻也が語る「W杯ベルギー戦の負けから2年。日本に軌道修正する力はついたのか」
「試合のなかでも流れを読みながら状況を判断して、自分たちにとってベターな方向に軌道修正することが、やっぱりあの試合には足りなかったと思っているので」 フェライニとシャドリが加わり、攻撃のリズムを一変させたベルギーに対応できなかった。ロシア大会後に西野朗監督が退任し、バトンを継いだ森保一監督に率いられる新生日本代表に初めて招集された2018年10月。キャプテンを拝命した吉田は、ミーティングで決意を新たにしている。 「森保さんからもミーティングで常々、上手くいかないときも耐えて、何か変化を起こして軌道修正することを求められている。実際、大会が大きくなればなるほど、外から変えられるものではないので。なので、中にいる自分たちの判断で、自発的に変えていくことを意識しています」 しかし、意識を高めても代表チームとして実践できる舞台がなかなか巡って来なかった。UEFAネーションズリーグやEURO2020予選が行われている関係で、ヨーロッパ勢とは国際親善試合が組めない。必然的に国際親善試合は日本国内に南米勢や北中米カリブ海勢を招く形に限定され、昨年9月からは他の大陸に先駆けて、カタールワールドカップ・アジア2次予選がスタートした。 さらに今年に入ってからは、新型コロナウイルスの影響で代表活動が休止を強いられた。予定されていたアジア2次予選が来年に延期されたなかで、国際親善試合の開催そのものは禁止されなかった状況を受けて、日本サッカー協会は10月、そして今月とヨーロッパでの開催にこぎ着けた。 日本国内での国際親善試合でも、例えばウルグアイ代表やコロンビア代表といった強豪国を招へいし、実際に前者には真っ向勝負の末に4-3で勝利を収めている。それでもDF長友佑都(マルセイユ)は、ヨーロッパで開催する国際親善試合は「まったく違いますね」と声を弾ませる。 「まずは相手のコンディションとモチベーションがまったく違いますよね。日本へ行って試合をするのと、お互いに最高の状態でヨーロッパの地で戦うのとでは」 日本への長時間フライトと現時点で8時間ある時差は、対戦国だけでなく日本代表のヨーロッパ組をも常に悩ませてきた。翻って先月に対戦したカメルーン、コートジボワール両代表も、そして13日に1-0で勝利したパナマ代表も、選手のほとんどがヨーロッパのクラブでプレーしている。日本および対戦相手の心身のコンディションのよさが、国際親善試合の価値を飛躍的に向上させた。