Bluesky、米大統領選後1週間で125万ユーザー獲得 「X離れ」加速
テック起業家のイーロン・マスクがツイッターを買収してから2年が経つが、その後Xと改名され、多くの変更が加えられたこのSNSに代わる「真の受け皿」として、今年一般公開されたばかりのBluesky(ブルースカイ)が存在感を強めている。 ツイッターの後継候補には、これまでメタのThreads(スレッズ)など複数のプラットフォームが取りざたされてきた。しかし、Blueskyには大きな強みがある。ユーザーインターフェース(UI)も操作性も、旧ツイッターと非常によく似ている点だ。 それもそのはず、Blueskyはツイッター元CEOのジャック・ドーシーが2019年にツイッター社内プロジェクトとして立ち上げ、2021年に独立したスタートアップである。当初は招待制のサービスだったが、今年2月に一般公開され、以来着実に成長を続けている。 BlueskyのSNSとしての規模はいまだ、数億人のユーザーを抱えるXの足元にも及ばないかもしれない。それでも、2024年米大統領選が終わって以降の1週間で、Blueskyは125万人の新規ユーザーを獲得し、総登録者数は1500万人に達した。 さらに重要なのは、ブランドや著名ユーザーが今、相次いでXを離脱し、移行先としてBlueskyに目を向けていることだ。 ■Xはもはや「場所としてふさわしくない」 英紙ガーディアンは13日、公式アカウントによるXへの投稿を終了すると発表した。また、物別れに終わったとはいえ一時はXと事業提携を結んでいた元CNN司会者のドン・レモンも同日、Xを離脱すると表明。女優のジェイミー・リー・カーティスは今週、Xのアカウントを削除した。 ガーディアンはBlueskyへ移行する方針のようだ。とっくに移住を済ませた著名人や企業も多い。広報の専門家でノースカロライナ・セントラル大学講師のローラ・グレアムは「一部の企業やブランドは、すでにBlueskyに参入している。英紙ガーディアンのように、Xを拒絶するかたちでだ」と説明する。 ■加速する「X離れ」 マスクが次期大統領にドナルド・トランプを支持したことは、最近のXからのユーザー大量流出の一因ではあるが、それは氷山の一角にすぎない。 「有害なコンテンツやソーシャルメディアの理念に反するような振る舞いに嫌気がさしたユーザーは、ソーシャルメディアがもっと親しみやすく穏やかだった時代に戻りたがっており、Xに代わる選択肢を求める傾向が強まっている」と、ソーシャルメディアとブランドマーケティングの専門家であるスコット・スタインバーグは指摘する。 「人々が今まさに切望しているのは、会話や創造性に再び集中できる安全で居心地のよい空間だ」とスタインバーグは続けた。「ソーシャルメディア界隈では今、争いの少ない交流や、より健全な自己表現の場を提供できる空間ならば、どこでもかなり有望視されている。そして当面の間は、より魅力的で、うんざりすることの少ない場所が人気を集めるだろう」