「2度と出てこないレベルですよ」…現役を引退した、青木宣親が語る《イチロー・ダルビッシュ・大谷翔平》への本音【独自インタビュー】
メジャーへの挑戦を経て得たもの
青木さんは2012年に海を渡ってアメリカに行ったが、なぜメジャーリーグに挑戦しようと思ったのだろうか。 「日本で当時、ヤクルトに居た時に、自分の野球に対して自信を持てないような時だったんです。野球に対してどういうふうに自分の気持ちをそこに持って行っていいかも分からないし。 日本に居た時は、まだ結果も残してはいたんですけど、なんかあの時は打つのが当たり前にもなっていたし、そういう感じで見られるのもなんかきつかった。かといって、自分のパフォーマンス自体はなんか落ちているのが自分で分かったんですよ。そこは見ている人はなかなか分からないのかも知れないけど」 最初に入団したブルワーズでは、日本での実績にもかかわらず実質的に入団テストを受け、当初は5番手外野手の扱いという厳しいスタートだった。 そこから実力でレギュラーをつかみ取り、その後もロイヤルズ ~ ジャイアンツ~ マリナーズ~ アストロズ~ ブルージェイズ~ メッツで中心選手として活躍した。 「やっぱり僕はアメリカに行って本当に良かったですね。本当に苦しかったし、でも苦しい分、自分と向き合うじゃないですか。当然、周りの人のサポートが間違いなく必要不可欠で。当然家族とも向き合うし、そうやって“一人じゃ生きていけないんだな”ということを本当に痛感したし。 もちろん結果がなかなか残らないから、そこに向かってアプローチをどんどん考えて色々やるじゃないですか。6年間それをずっと出来たので、アメリカに行って自信が持てるようになりましたね。やっぱり苦しんだ中に、そこにすごく答えがありました。色々アメリカでは学ばせてもらいました」 メジャーリーグで活躍できるには、何が必要なのだろうか。 「アメリカに行った時に本人がどう感じるかというのはもの凄く大きいかもしれないです。行った時に『こいつら半端じゃない』と思いながら、そこで負けちゃうのか、いや、『なんか凄いかもしれないけど、俺はやれる』と思うのかとか、色々この感じ方は人それぞれじゃないですか。 なんか敵を初めから大きくしてしまったら負けちゃうでしょ。そうではなくて、『いや、俺は絶対行ける』というような気持ちを持てるかどうかですよね。 もちろん相手をリスペクト(尊敬)するのですけど、やっぱり非常に相手をこう大きくしないこと。当然そこの上を行かないと結果は残らないわけですからね。“自分と向き合うこと”というのは本当に大切だと思います」