「2度と出てこないレベルですよ」…現役を引退した、青木宣親が語る《イチロー・ダルビッシュ・大谷翔平》への本音【独自インタビュー】
「イチローさんには全然勝てない」
では、日本人のバッターでこの人は凄いなと思ったのは誰なのだろうか。 「イチローさんですよ、今だったら大谷翔平選手じゃないですか。やっぱりイチローさんはカリスマ性が凄いですよね。イチローさんと話すといつも思うんですけど、なんか心にグッと刺さるような言葉を言うんです。やっぱり人に影響を与える人なんだなというのはもの凄く感じます」 バッターとして、イチローさんにここは勝てないというところはあるのだろうか。 「いや、全部勝てないですよ。凄いですよ。イチローさんはだって日米通算安打で4367本も打っているんですよ。僕もわりと打った方だと思うんですけど、2730本しか打ってないんですよ。(2730本も、ですけどね)いや、普通の人からすればそうかもしれないですよ。 ただ、イチローさんと比べてみてください、4367本ですよ。1637本も上ですよ。ここから僕が1637本打つためにはあと何年やるんですか? いや、凄いですよ。メジャーで年間200安打を10年連続。2度と出てこないレベルですよ。大谷選手ももちろん凄いですけど、イチローさんももちろん凄いですよ。だからそこは比べようがないですよ」 同じ野球選手として、大谷翔平選手のどこが凄いと感じているのだろうか。 「もう欠点無いですよね。だって今回だってDH(指名打者)で出場してホームラン王(54本)になって、盗塁は59個。概念を変えてますよね。こんな選手もういないでしょ、だってDHやって盗塁もこんなにできて、そしてレベルの高いピッチャーもやるんでしょ。もう、あり得ないですよね」 青木さんが日本に戻って来た時に、ちょうど入れ替わりで大谷選手がエンゼルスに移籍したので投手・大谷との対戦は無かったということだが、もしも対戦していたら打てたのだろうか。 「いや、それはやってみないと分からない。真っすぐはどうにかなるかも知れないけれど、あのスイーパー(球速があり横曲がりの大きいスライダー)は打てないと思う」 大谷翔平選手が、将来、投手か打者かどちらかを選ばなければならないとしたら、大谷選手はどちらを選んだ方がいいと思うか、聞いてみた。 「両方できるんじゃないですか。いつかはあるかもしれないけど、それも分からない。だって結局、不可能を可能にしてきた人間ですよ。みんなはどっちかに絞ろうとするんですけども、その概念自体がたぶん大谷選手には無いから。たぶん身体が持つ限り、考えが変わらない限り、二刀流でやるんじゃないですか」