「2度と出てこないレベルですよ」…現役を引退した、青木宣親が語る《イチロー・ダルビッシュ・大谷翔平》への本音【独自インタビュー】
家族がいてこその偉業
日本とアメリカで21年間もトップ選手として長く活躍する上で、最も大切にしてきたことを聞いてみた。 「やっぱり諦めないこと、負けないことじゃないですかね。いろんなことに対してチャレンジし続けたので。それが結果を残して行くのに一番必要なマインドだと思ったので。諦めなければ、いろんなアプローチを変えて、ずっと自分と向き合うことができるじゃないですか。 相手にも勝とうとしていたら、なんかそれで終わっちゃうような気がするんですよ。負けないと思うと、連続でチャレンジできそうじゃないですか。チャレンジし続けられる」 そしてもう一つ、現役生活を支え続けたのは、最も大切にしている家族の存在だ。 「(家族が)一番です。そばに居てくれたことが大きいですよね。子供の成長も嬉しいし」 長いキャリアの中で最も印象に残っているシーンは何なのだろうか。 「もう色々あるんですよね。ワールドシリーズに出たこともそうだし、初めて一軍で試合に出た時も、初めてヒットを打った時も、WBCで優勝したこともそうだし。 一番というのは、やっぱりヤクルトで日本一になったことです。自分の中では最後はもうそれしかなかったので。(アメリカから)ヤクルトに帰って来た時に、ヤクルトで優勝するという気持ち、ヤクルトを優勝させるんだという気持ちが凄くあったので、それが叶った時はもうやり残したことはそんなにないなあという感じがしました」
「なぜこの投手がマイナーにいたんだ?」
数々の偉大な記録を残して来たが、日米通算2730安打と、首位打者3回と、史上唯一のシーズン200安打2回の中で、自分自身が最も大切なものは何かと聞いた。 「どれが一番大切というのは正直ないんですよ。自分がタイトルを獲りたいと思うのは、この野球界で生き残っていくため、自分の価値をどんどん高めていくためには必要なことだったから、打ち続けただけなので。 (日米通算で2730安打という)数字だけ見ても正直何も思わないですけど、歴代5位になった時に、上に居るのはイチローさん(4367安打)、張本さん(3085)、野村さん(2901)、王さん(2786)なんですよ。この名前を見た時に、もうなんかオーって、これって凄いことだなというのは思いました」 日本のプロ野球で対戦した中で、最も凄いと思ったピッチャーは誰なのだろうか。 「ダルビッシュ選手ですかね。ダルビッシュ選手は1打席目とか2打席目で対戦した時のボールの曲げ方とかが全然違うんですよ。例えばスライダーが特徴的なんですけど、色々なスライダーを投げてくるんです。それってなかなかできないことなんです。 今は割とそれがデータ化されていて、そういったことが出来るようになってきたんですよ。でもダルビッシュ選手は、データ化が当たり前になる以前の時代に、感覚的にそれをやってたんですよ」 メジャーリーグでも数多くの名投手と対戦してきたが、誰が最も凄かったのか。 「いっぱい居るんですけど、もう名前のよく分かんない投手も凄いし。マイナーリーグから最近メジャーに上がってきましたという投手がもの凄いボールを投げたりするから、『なんだ、これ? なぜこの投手がマイナーにいたんだ?』みたいな。 もう本当にアメリカは人材が豊富だなと思います。次から次へと出てくるじゃないですか。メジャーリーグで長くプレーするのは、本当に難しいことですよ」