TRFのSAMさんが語る中学入試 目指したのは医師、受けたのは獨協医科大の系列校 私の受験時代
■準備で培う「平常心」
志望したのは、医科大の系列校、獨協中学・高校(東京)です。それと埼玉県内のもう1校。両方とも行きたい学校で、滑り止めは受けませんでした。
入試の本番は、まったく緊張しませんでした。日曜に塾のテストを受けていたので、場の空気に慣れていたんだと思います。その延長線上に受験がある、みたいな感覚でした。
これから受験する人に伝えたいのは、入試にたどりつくまでの心の準備の大切さです。塾のテストや模擬試験を受けるときに毎回、本番だと思って臨んでいれば、入試のときに割と「平常心」でいられるのではないでしょうか。そのほうが焦らずに実力が発揮できると思いますよ。
2校を受け、その結果、1校は不合格でした。落ちたときは親に申し訳なくてね。だから獨協中学・高校に受かったときは「ヤッター」というより、ほっとしたという感じでした。
医師になろうと思って選んだ学校でしたが、高校生になるとディスコに魅了され、僕はダンサーになりました。
それでも中学受験の経験は無駄にならず、ダンスの世界でも生きました。例えば、僕は急にオーディションを受けることになっても、慌てなくて済みました。いつチャンスが巡ってくるか分からない世界。直前に焦って対策を立てても間に合いません。でも、スタジオで受ける毎回のレッスンをオーディションだと思いながら臨んでいれば、集中力の高め方が分かり、よい緊張感につなげられるはずです。受験のときに培った「本番で平常心を発揮するための準備力」はダンスにも通じていると思います。
■いとこと再会した50代
50代では、医師を志して中学受験したときの気持ちを思い出すような出来事がありました。
僕と同じ獨協中学・高校に進み、循環器系の医師になったいとこと、地元で開催されたイベントで久しぶりに再会。そこで「リハビリになるようなダンスを作れないか」と相談されたんです。高齢者でも踊れて健康の維持に役立つものをと、いとこと一緒に作ったのが、「ダレデモダンス」です。いとこのおかげで医学界とのつながりもできました。