ドラフト2位の庄子は小久保監督の横で色紙で決意をアピール（撮影・梅根麻紀）

　“鷹のレッドスター”になる！　ソフトバンク新入団選手の発表会見が9日、福岡市内で行われた。 　大学54盗塁の快足自慢、ドラフト2位の神奈川大・庄子雄大内野手（22＝横浜）は「盗塁王」を目標に掲げ、1年目からの大活躍を誓った。盗塁王5度を誇る元阪神赤星憲広氏（48）の本を読んだ高校時代にヒントをつかみ、才能が爆発的に開花。同僚になる盗塁王3度の周東右京外野手（28）からも極意を学び、完全無欠の足のスペシャリストを目指す。 　　　　◇　　　◇　　　◇ 　走り屋・庄子の転機は、ある本との出会いだった。 　「阪神で活躍された赤星さんの本を読んで。盗塁を決めるには『準備が8割』と書いてあった」 　横浜高時代。通算381盗塁を積み上げた元阪神赤星憲広氏の1冊を読んだ。その極意は目からウロコの連続だった。「高校まではただ全力で走っていた」。快足自慢の奥の深さは足元にも及ばない。考えはガラリと変わった。以来、盗塁を成功させる「準備」に時間を費やした。項目はリードの幅、相手投手の癖など多岐にわたる。5度の盗塁王を獲得した虎のレジェンドに学び、長所を伸ばし続けた。「野球選手として生きる道、自分を生かすとしたら足の部分なので」。大学球界屈指の快足で50メートル走は5秒7。天性の脚力プラスに赤星氏の考えをミックスさせ、神奈川大学リーグでは54盗塁をマークした。 　身近に偉大な先輩もいる。盗塁王を3度獲得している周東とチームメートになる。「すべて吸収したい」と目を輝かせ「一番は盗塁の心構えだったりを聞きたい」と貪欲に質問していく。赤星イズムに周東イズムも加えれば、完全無欠だ。 　球団では1リーグ時代の1946年（昭21）、前身のグレートリングの河西俊雄以来、78年ぶりとなる“ルーキー盗塁王”はひとつの目標になる。新入団選手の発表会見。右手にマイク、左手には「盗塁王」としたためた色紙を手に、明確なビジョンを描いた。 　「一番は足だと思う。目標の盗塁王を取るためにさらに成長したい。まずは1年間しっかり1軍に残り続けて、1軍の戦力になれるように頑張っていきたい」 　ポジションは遊撃。今宮が絶対的レギュラーに君臨する。「ショートで勝負する以上、今宮さんに勝たないと試合に出られない。しっかり勝負していきたい」。背番号は今季まで山川が背負った25に決定。「偉大な先輩がつけた番号。ホークスの25といえば『庄子』と思ってもらえるような活躍をしたい」。走攻守で“鷹のレッドスター”が新伝説をつくる。【佐藤究】 　◆庄子雄大（しょうじ・ゆうだい）2002年（平14）10月2日生まれ、神奈川県出身。横浜高では2年春に三塁手で甲子園出場も初戦で明豊に敗れ、自身も無安打。3年時はコロナ禍で全国大会が開催されなかった。神奈川大では1年秋から遊撃を守り、通算54盗塁、116安打。憧れの選手はソフトバンク近藤健介。性格は「負けず嫌い」。好きな言葉は「目標がその日その日を支配する」。178センチ、78キロ。右投げ左打ち。