JALサイバー攻撃で混乱 原因は「ルーターの不調」 警視庁は「DDoS(ディードス)攻撃の可能性」を示唆 専門家「何度も攻撃してくる」“更なる攻撃”の可能性指摘
FNNプライムオンライン
日本航空がサイバー攻撃を受けて、一時システム障害が発生。 航空便の遅れも相次いでいます。 誰が、何のために、どうやって狙ったのか、手口も絞られてきたようです。 26日午後1時半ごろに復旧したという話がありましたが、それ以降もサイバー攻撃は続いていたということです。 システム障害の原因ですが、ネットワーク間でデータをやり取りする「ルーター」という装置の不調だったということで、警視庁の捜査関係者によりますと、「DDoS攻撃の可能性があるのではないか」ということです。 「DDoS攻撃」というのは、ハッカーが大量のパソコンを経由してサーバーに対して大量のデータを送り、サーバーの負荷が大きくなって、ウェブサイトへのアクセスができなくなったり、ネットワークの遅延などが起こったりする攻撃のことをいいます。 青井実キャスター: アプリが使えなくなったという話もありましが、システムが復旧した場合、安心したととっていいのか、それとも攻撃されたことは怖いことなのか、その辺りどう捉えればいいんですか? サイバー犯罪などに詳しい「IoTNEWS」の小泉耕二さんによると、今回すぐに対応したため重大な事態にはなりませんでしたが、セキュリティーの穴を探すために何度も攻撃してくる可能性もあるということでした。 今回のようなルーターなどのネットワーク機器を攻撃したとしても、例えばシステムをダウンさせるなどといった「嫌がらせ」といえること以外のメリットはないということなんです。 ただ怖いのは、これがさらに悪化してネットワークの制御権を乗っ取られてしまった場合、例えば、データ改ざんや会員データの漏洩など、さらにはこれを逆手にとって身代金を要求するといった事態も考えられるということで、「もしかしたら“さらなる攻撃”を仕掛けるつもりだったのではないか」と小泉さんは話していました。 さらに恐ろしいのが、航空機も電子化が進んでいるため、例えばそれをハッキングされた場合、飛行機が飛べなくなるわけです。 ただ、「日本航空のセキュリティー対策は堅牢で簡単には破れない」ということも小泉さんは話していました。 また小泉さんによると、航空会社はセキュリティーに多額の投資を行っていますが、さらに強化するための費用がかかることに今後はなってしまうということで、「セキュリティー対策はいたちごっこ」と話していました。 青井実キャスター: こういったサイバー攻撃、今後、心配ですよね。 フジテレビ・立石修解説委員室長: サイバー犯罪は年々日本でも増えていますが、今年は特に日本の大企業を狙った大型のサイバー事件が相次いだと思います。 夏にはKADOKAWAが身代金目的で個人情報流出。これはロシアのハッカー集団の犯行でした。 昨日はDMMグループが北朝鮮に狙われて480億円相当のビットコインが流出したと。 こういったものは、そういう集団にとっては魅力的なターゲットですので、今後増えていく可能性はあると思います。