オーストリアの連立交渉が決裂、ネハンマー首相辞任へ…昨年の総選挙で極右政党が第1党に
【ベルリン=工藤彩香】オーストリアの中道右派与党・国民党党首のカール・ネハンマー首相は4日、昨年9月の総選挙を受け、政権樹立に向けて自身が主導してきた連立交渉が決裂したとX(旧ツイッター)で明らかにした。数日中に首相と党首を辞任する意向も表明した。 【図解】極右野党が初めて第1党に
ネハンマー氏はXで、「長らく懸命に交渉してきたが、重要な点で合意するのは不可能だった」と述べた。ネハンマー氏は中道左派・社会民主党、リベラル政党「ネオス」と3党による連立交渉を進めてきたが、ネオスは3日に交渉離脱を表明した。
昨年9月の総選挙では、元ナチス関係者らが結党した極右政党・自由党が反移民や自国第一主義を訴えて支持を伸ばし、初めて第1党となった。主要政党が自由党との連立を拒否し、アレクサンダー・ファンデアベレン大統領は第2党の国民党に組閣要請していた。
先行きは不透明で、地元メディアは、国民党が新たな党首の下で自由党と連立交渉に臨むとの見方を報じている。再選挙の可能性もあるという。ネハンマー氏は2021年に首相に就任。昨年の総選挙後、暫定首相を務めている。