潔白だった井岡のドーピング問題で失態続けたJBCトップに畑中会長が「しかるべき責任を取るべき」と事実上の“辞任要求”
プロボクシングの4階級制覇王者でWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(32、Ambition)が大晦日に行われた元3階級制覇王者、田中恒成(25、畑中)との防衛戦でドーピング違反を疑われた問題についてJBC(日本ボクシングコミッション)が倫理委員会の答申を受けて「禁止薬物の使用は認められない。処分なし」という潔白の結論を出したことについて一夜明けた20日、田中及び所属ジムの畑中清詞会長がコメントを発表した。畑中会長は、この日、顧問弁護士と相談の上、今後の対応方針を固めたもの。 ここまで沈黙を守ってきた当事者の田中は、「今回、J B Cの不手際によって、このような混乱を招いた事は非常に残念です。大晦日、井岡選手と私の試合は間違いなく素晴らしいものでした。今後は公正、公平が守られ、試合後の両選手が心から健闘を讃え合えるようにJBCは尽力してほしいです」と、不手際を繰り返したJBCに苦言を呈した。そして「大晦日、私が戦った井岡一翔選手は素晴らしいボクサーでした。現在、私はあの試合を経て、新しいボクシングスタイルを構築する為に日々練習に取り組んでいます。これからの田中恒成のボクシングにご期待ください。応援よろしくお願いします」という言葉で結んだ。 畑中ジムでは、今回の問題が週刊誌報道によって4月下旬に発覚した後にも、一切、JBCからの説明連絡がなかったため、JBCに内容証明という形で「いつ決まる?」「倫理委員会のメンバーは?」「A検体、B検体の扱いはどうなっている?」などの質問状を送っていた。そのJBCからの回答が内容のない“ゼロ回答”だったことから、畑中会長は15日に会見を開き、「疑念だらけ」と不信感を募らせ、結論如何では、損害賠償請求訴訟も辞さずの強硬姿勢を明確にしていた。それだけに畑中会長のコメントは辛辣だった。 「昨日のJ B Cの裁定は受け入れる。ただし、J B Cの不手際がこの大混乱を招いたことは、大変遺憾に思う。永田理事長の話を聞くことはするが、我々が納得する説明があるかどうかによって謝罪を受け入れるか考えたい」 JBCの永田有平理事長は、田中サイドにも、今回の騒動の不手際に関して直接謝罪することを前日の会見で明らかにしていたが、その際の話次第では、謝罪そのものを拒否する可能性があることを示唆した。 そして、「あの日本ボクシング史上最高峰の試合を汚した罪は重い。今後、このような事態を繰り返さないためにも、この大混乱を招いたJ B Cの関係者は、しかるべき責任をとるべきだ」と、永田理事長らJBC幹部に事実上の“辞任要求”を突き付けた。