半導体はこうして造られる、日本企業が世界に果たす役割
四季報オンライン
34年ぶりに最高値を更新した日経平均株価。その牽引役となったのが半導体関連銘柄だった。「日本の半導体産業は凋落した」といわれて久しいが、なぜ相場上昇を主導したのか。時価総額の大きい銘柄も多いが、成長セクターと見なされ、アメリカの金利にも敏感に反応する。半導体について「なんとなく興味はあるが、よくわからない」という方も多いのではないか。「半導体再入門」と題して、初歩的な半導体に関する解説をお送りする。日本の存在なくして半導体は造れない。これは決して大げさな表現ではない。 「日本の半導体産業は韓国や台湾に抜かされて、そのはるか後ろを追いかけている」と聞いたことがあるかもしれないが、それはあくまで半導体チップの話だ。チップを作るための製造装置や材料の分野は、今でも日本勢が世界に君臨する。 半導体の製造工程は長く複雑だ。半導体を造るための大本の基盤となるシリコンウェハーの上に回路を作って、チップの形にするのが「前工程」だ。ウェハーに薬品を塗り、光を当て、洗浄する作業を何度も繰り返す。 「後工程」では、ウェハー上にできあがった数百から数千のチップを1つひとつ切り出して最終製品に仕上げていく。
本文:3,776文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
会社四季報オンライン編集部