ハリスさんはどんな人?今、世界で1番注目の女性 初づくしの59歳、ジェットコースターの選挙劇の主役に
これまでの死に体からよみがえり、あっという間に戦闘態勢を整える民主党の様子に、バイデン氏相手の勝利を確信していたトランプ氏は「民主党のクーデターだ」と憤った。 ▽女性、黒人、アジア系のハリス氏、経歴は「史上初」ばかり ハリス氏はジャマイカ人の父とインド人の母の間に生まれた。両親はアメリカの大学留学中に出会って結婚し、後に離婚。ハリス氏と妹を育てた母の故シャマラ・ゴパランさんは著名な乳がん研究者だ。「不正義に文句を言うのではなく、行動しなさい」「何事も中途半端にやってはいけない」―。母の教えが、ハリス氏の人生に大きな影響を与えたことは間違いない。ハリス氏は「クールで、タフで、勇気があった」と母を懐かしんでいる。 ハリス氏はカリフォルニア州で検事として経験を積み、2011年に女性、黒人、アジア系として初の州司法長官に就任。17年から連邦上院議員を務め、21年1月、女性、黒人、アジア系として初の副大統領になった。
大統領の妻は「ファーストレディ」、副大統領の妻は「セカンドレディ」と呼ばれることから、ハリス氏の夫で弁護士のダグラス・エムホフ氏(59)は、アメリカ史上初の「セカンドジェントルマン」に。ハリス氏が大統領に就任すれば、今度は初の「ファーストジェントルマン」となる。 数多くの経歴に「初」が付くハリス氏は、検事や政治家として「常に人々のために働いてきた」と自負する。8月に開かれた民主党大会の演説で、トランプ氏を「自分や富裕層のために闘っている」と批判する一方、「私のキャリアを通じて唯一の顧客は国民だ」として違いを強調した。 ▽夫の元妻や子どもたちとつくる新しい家族のかたち エムホフ氏の元妻との間の子ども2人は、「ママ」と「カマラ」を掛けてハリス氏を「ママラ」と呼ぶ。娘でデザイナーのエラさん(25)は民主党大会で、ハリス氏と「家族になったとき私は14歳。思春期の子どもにとって気楽な時期でしょ」と、当時の複雑な心境をユーモラスに表現。多感なティーンエイジャーと向き合ったハリス氏が「どんな時でもそばにいてくれた。忍耐強く、思いやりがあり、真剣に受け止めてくれた」(エラさん)。