ハリスさんはどんな人?今、世界で1番注目の女性 初づくしの59歳、ジェットコースターの選挙劇の主役に
ハリス氏を支える家族にはエムホフ氏の元妻カースティンさんも含まれる。共和党副大統領候補のバンス上院議員(40)がハリス氏らの名前を挙げて出産経験がない女性を中傷した発言が取り沙汰された際、カースティンさんはすぐに声明を発表した。自身とハリス氏が「10年以上、一緒に子育てに関わってきた」として出産経験の有無は関係ないとして援護射撃。「私は私たちの『混合家族』(ブレンデッドファミリー)を愛しており、彼女が一員であることに感謝している」と強調した。民主党大会にも駆け付け、支援を惜しまない。 ▽期待高める若者や女性、移民政策や経済対策では疑問符も ハリス氏が民主党の大統領候補に名乗りを上げた7月21日以降、大統領選は「近年まれに見るデッドヒート」だと表現されるようになった。バイデン氏とトランプ氏による前回大統領選と同じ顔触れの高齢候補対決を敬遠していた有権者、特に若者や女性がハリス氏への期待を高めており、支持率が拮抗しているためだ。
だがハリス氏の政策に不安を抱く人も少なくない。特にメキシコとの南部国境から押し寄せる移民を巡り、トランプ陣営はバイデン政権で移民政策の一部を担当したハリス氏に「ボーダーツァー(国境の皇帝)」というあだ名をつけ、責任を激しく追及する。トランプ陣営の新しい広告は、ハリス氏が「国境責任者として入国を許可した1千万人の不法移民に恩赦を与え、社会保障の対象にすると約束した」と虚偽の説明で移民への恐怖や嫌悪をあおる手段に出た。ハリス氏は不法越境には厳しい対応を取ると訴えるが、有権者の信頼を取り戻すのは容易ではない。 経済政策もやり玉に挙がる。バイデン政権で始まった歴史的なインフレに苦しむ国民には、トランプ政権の方がアメリカを豊かにしたとの認識が根強い。ハリス氏は食品の不当な値上げ禁止や住宅価格引き下げによる家計負担の軽減策を打ち出し、子どもが生まれた家庭への減税も掲げる。価格統制を伴う政策をトランプ氏は「共産主義的だ」と非難。ハリス氏が副大統領就任後、3年半を経ても事態を改善できていないとして「無能」のレッテルを貼る。