ハリスさんはどんな人?今、世界で1番注目の女性 初づくしの59歳、ジェットコースターの選挙劇の主役に
▽「後戻りしない」。トランプ氏の土俵に乗らない戦略 トランプ氏のハリス氏に対する人格攻撃も激しさを増している。ハリス氏が黒人有権者にアピールするため「突然黒人になった」とやゆ。よく笑うハリス氏の笑い声が普通ではないとけなし、共産主義者だとの意味を込めてハリス氏を「同志カマラ」と呼ぶ。 8月29日、立候補後初の報道機関による単独取材となったCNNテレビのインタビューで、中傷攻撃に対する考えを問われたハリス氏は「いつもと同じ、古くさい戦術。次の質問をお願いします」とかわしてみせた。同じ土俵には乗らないとの意思表示で、トランプ氏にへきえきとする女性や穏健な無党派層を引きつける狙いだ。ハリス氏が掲げるのは「自由」と「喜び」で、エムホフ氏はハリス氏を「陽気な戦士」と表現。選挙スローガンは「Not going back!(後戻りしない)」。アメリカを前進させ、トランプ氏の時代には戻らないとの意味を込める。
9月10日、ABCテレビが主催し、激戦州の東部ペンシルベニア州フィラデルフィアで開かれた討論会では、国民の関心が高い経済や移民問題でトランプ氏と激しい応酬を繰り広げた。ハリス氏は人工妊娠中絶の是非や議会襲撃事件を巡るトランプ氏の姿勢を追及。メディアは「トランプ氏をいらつかせることに成功した」と指摘した。守勢に回らざるを得なかったトランプ氏は「不法移民がペットを食べた」などと支離滅裂な主張を繰り返し「オウンゴールを繰り返した」(国際政治学者のイアン・ブレマー氏)。討論会後のCNNテレビの緊急世論調査によると、ハリス氏が勝者と答えた人は63%、トランプ氏は37%だった。 9月に入り、ワシントンDCでは一軒家の庭先に支援候補の看板が飾られ、街中で支援候補の名前がプリントされたTシャツや帽子をひんぱんに見かけるようになった。数カ月前は「退屈」だと言われたアメリカ大統領選だが、今や全世界がハリス氏、トランプ氏の一挙手一投足に注目している。