上野樹里「涙が溢れそうになりました」ニュージーランドの“森の神”を訪ねて感じたこと[FRaU]
世界最古の巨木といわれるカウリの木。ニュージーランドのみに分布するカウリの中でも、現存する最大級の木は「タネ・マフタ」と呼ばれ、その樹齢は2000年以上ともいわれる。先住民マオリが森の神として崇め、度々伝説にも登場する神秘的な存在。以前からタネ・マフタを見たいと思っていた俳優の上野樹里さんが、原始の森ワイポウアを訪ねました。 上野樹里 うえの・じゅり 俳優。1986年、兵庫県生まれ。2001年デビュー。映画『スウィングガールズ』(04)、ドラマ『のだめカンタービレ』(06)で人気を博す。以降もドラマ『監察医 朝顔』(19)、映画『隣人X 疑惑の彼女』(23)など多数出演。
先住民マオリが崇めたカウリ、森の神タネ・マフタの伝説とは
俳優の上野樹里さんがデザイン・ディレクターを務めるブランド〈TuiKauri(トゥイカウリ)〉。その名前の由来は、ニュージーランド先住民マオリの言葉で、固有種の青い鳥「Tui(トゥイ)」と巨大樹「Kauri(カウリ)」の2つの組み合わせからきている。12年ほど前に留学していたこともあり、土地からインスピレーションを受け、また上野さん自身の名前に「樹」を含むことから名づけたという。ニュージーランド政府観光局のキャンペーンアンバサダーを務めたこともあり、何かとこの地に縁のある上野さんが、今回訪れたかった場所が、カウリを見ることができるニュージーランド北島のエリアだ。
北島の原生林に自生する樹木の中でもひときわ大きく成長するカウリは、針葉樹の一種で、ナンヨウスギ科(アガチス属)の樹木。その起源はなんと約1億9900万~1億3500万年前、かつて恐竜がいたジュラ紀まで遡る。最大の特徴は、数千年もの時間をかけて、ゆっくりと成長する木ゆえ、長寿で巨大に育つこと。もっとも大きい木は、マオリ語で「タネ・マフタ」=森の神と呼ばれる。現存する最大のタネ・マフタの樹齢は2000年ともそれ以上ともいわれる。 今回目指したのは、オークランドから北に44時間ほど車を走らせた場所にある、ワイポウアの森。ガイドをしてくれたのは、マオリのヘニ・マティスさん。現在、カウリの木は保護対象になっており、一般公開されている場所は、柵や歩道で整備されている。歩いて55分も経たないうちに目の前に現れたのは、天に向かって伸びる巨大なタネ・マフタだ。 写真:上野さんが手がけるブランドの絞り染めのワンピース¥60500、Tシャツ¥13200(ともにトゥイカウリ/アルディム) パンツ¥23100(レッド カード プレ/トゥモローランド) ネックレス¥15950(ソワリー/ソワリー) その他(スタイリスト私物)