介護リスク高める骨粗しょう症 ~10代から予防、中高年は検診を~
◇若年時に心掛けたい「骨の貯金」
骨粗しょう症を防げるかどうかは、骨量が増える10代が一つのポイントとなる。この時期にできるだけ積み増しておけば、ピークを過ぎて減少に転じても一定の水準を維持できる。いわば、老後のための「骨の貯金」だ。ただ、中高生らに遠い将来に備えた自主的な行動を期待するのは難しいかもしれず、保護者らの意識・姿勢が重要となる。 中高年は喫煙や過度な飲酒を控え、健康的な生活を送るよう努めたい。大谷医師はこれに加え、「一度骨密度を測って(平均的な水準と比べて)自分がどのあたりにいるかを見極め、必要があれば早めに治療する方がいい」と、適切な時期の検診を呼び掛ける。検診に先立ち、世界保健機関(WHO)が作成した骨折危険度の判定法を利用するのも一案で、向こう10年間に骨粗しょう症によって骨折する確率が簡単に予測できる。 骨粗しょう症の治療は薬の内服と注射が主要な方法となる。エストロゲン減少の悪影響を軽減する薬剤などが投与される。「治療すれば骨は増える。そんなに悲観する必要はない」(大谷医師)という。(平満)