「モザイク必須」「すべてを曝け出さない」人気家族YouTuberが徹底する、SNSから子どもを守る秘訣
3人家族による爆笑ごっこ遊びで人気を集める、家族YouTuber「おうちごっこ」。動画を配信しつつ、子どもの生活や将来を守るために、父・ヒロアキさんが気を付けていることは? ご本人にお話を伺いました。 【画像】おなじみの和室で踊る「おうちごっこ」
人気チャンネル「おうちごっこ」はどうやって生まれた?
――Youtubeでの動画配信を始めたきっかけを教えて下さい。 もともとは、Youtubeで全く別のチャンネルを始めようと思っていたんです。やりたいことが見つからない人に向けて、いろいろな職業を紹介するチャンネルを制作しようと思っていました。 そこへコロナが来て、予定していた全ての取材がなくなってしまって。どうしようかと思案していたところ、娘の家族の動画を上げてみたら、それが予想外の大きな反響を呼びました。 ――娘さんの動画を公開することについて、ご家族からの反対はありましたか? 最初、妻は反対していました。 なので本当に慎重に、よくよく話し合をいながら始めましたね。 娘の顔や、個人情報が写った書類やカレンダー、写真には必ずモザイクをかけるなど、「これなら安心して配信できる」というラインを明確にして、しっかり守るようにしました。 ――ここまでの人気になることは想定していましたか どうでしょう? でも、薄々可能性は感じていました。家族チャンネルは、だいたい子どものホームビデオ的なチャンネルが多いという認識があったんです。その中で、腹を抱えて笑える動画は少ないという印象でした。 「笑える動画を作れば、もしかしたら可能性があるかもしれない。自分達ならできるのでは?」という思いはありました。 このたび、KADOKAWAさんから『おうちごっこの子育て1年生』という本を出版させていただきましたが、これはYouTubeで活動する中での夢の一つでもありました。実現するかも、という期待はうっすらありましたが、実際に本が出版されて、「おかげさまで」という気持ちでいっぱいです。
動画を3パターン作る理由
――ごっこ遊びのネタはどのように探していますか? ネタ帳などに書き留めてはいないのですが、いつも「おもしろいネタはないかな」という視点で生活しています。 ネタは娘の成長に合わせて変わってきているように感じますね。 お医者さんごっこは鉄板ネタで今も昔も不動のレギュラーなんですが、最近はネイリストのごっこ遊びもお気に入りで、だんだんおしゃれになってきているのを感じます。 この前も手にネイルしてもらったんですけど、塗った後に除光液がないことに気付いて。このままコンビニにも行けないし、「終わった」と思いました(笑)。 一方で、アニメのネタは完全に僕の趣味ですね。自分の趣味に娘を巻き込みたいという気持ちがあります(笑)。 ―― 動画でのやり取りは、全部アドリブなのでしょうか? 実は、大きく分けて3パターンあります。 一つ目は、完全にアドリブのパターン。 急にカメラが回って始まるタイプの動画です。 二つ目は、過去にあった出来事を再現しているパターン。 カメラに収められなかったおもしろいやり取りや出来事を、家族で演じて再現しています。 三つめは、完全に脚本があるパターン。 僕が脚本を書いて、家族にOKをもらったら練習して撮影しています。 ――アドリブの動画は、カメラを回し始めるタイミングをどのように決めているんでしょうか。 妻が突然取り始めるパターンが多いです。「よっしゃ家族を笑わせるぞ!」というタイミングで僕の中でスイッチが入るので、それを妻が敏感に感じ取っている気がします。 ――過去の出来事を再現する動画や、脚本がある動画を撮り始めたきっかけは何ですか? 最初は全部アドリブでやっていたんですけど、完全に自分達の生活をさらけ出しすぎると、批判されたときにもろにダメージを受けてしまうんです。SNSはやはり怖い部分もあって、攻撃的なコメントに妻が落ち込んでしまったこともあって。娘にそんな思いをさせる訳にはいかないので、過去の再現動画や、脚本のある動画も撮るようになりました。 言ってしまえば作り物なわけですが、「これは演じてるだけだから」というスタンスをとることで、誹謗中傷を受けてもダメージを受けずに済むんです。 ――お子さんが顔出しを一切されてないのにも、ご両親の配慮を感じました。 ありがたいことに、子どもの顔にモザイクをかけているだけで、好印象を持って下さる方は一定数います。 時代がそうさせているようにも感じるので、喜んでいいのかわかないのですが…。 子どもの表情って、家族チャンネルの最大の武器だと思うんです。 その子どもの顔にモザイクをかけて、なおかつ動画の再生数を伸ばすのはとても難しかったですね。 もう、親が前に出るしかないですよね(笑)。自分たちにはこの方法があっていたんだろうなと思います。 ――お子さんが何歳になるまで動画を撮り続けたいですか? 今、TikTokもYouTubeも状況が少しずつ変わってきていていますし、娘も小学校3年生なので、ずっと現状のままではいられないだろうというのをひしひしと感じています。 一生YouTuberでずっと食べていきたいという思いはそもそもないので、需要がなくなったら、そのときはぱたっと止めようと思っています。 もしくは、娘が「もうやりたくない」と言ったら、その時点で終わりになりますね。 ――では、楽しめるうちに楽しませていただきます! ぜひ!(笑) (取材・文:nobico編集部 中野セコリ)
おうちごっこ ヒロアキ