トヨタ、日本選手権決勝は7戦全勝 藤原航平監督「リーディングカンパニーであり続けたい」【社会人野球】
◇9日 社会人野球日本選手権大会決勝 トヨタ自動車3―0ホンダ(京セラドーム大阪) トヨタ自動車(愛知)がホンダ(東京)を3―0で破り、2022年以来2大会ぶりの優勝に輝いた。7度目の頂点は住友金属に並ぶ歴代最多タイ。先発の増居翔太投手(24)=慶大=が準々決勝の西部ガス戦から中2日の登板で7安打完封し、最高殊勲選手賞を受賞した。1回に主将の逢沢崚介外野手(28)=明大=が放った右越え3ランが決勝点になった。 トヨタ自動車が2年ぶりに秋の王者に返り咲いた。1回戦からの5試合中3試合で先発した左腕増居は、24イニングで1失点と大車輪の活躍。決勝は1回に4番・逢沢の3ランで援護点をもらい、最後までマウンドを守り切った。 9回2死。1ボール2ストライクから投じた147球目で右飛に打ち取ってゲームセット。「ホッとした。勝って終われて良かったな」。勝利を確信し、マウンド上で両手を大きく突き上げた。 日本選手権は7度目の決勝進出で無敗の7連勝。社会人野球界の先頭を走る名門は、今年が大きな転換期だった。2007年の初優勝から日本選手権で6度、都市対抗大会で2度の優勝に貢献した看板投手の佐竹が2回戦で敗退した今夏の都市対抗限りで引退。主将もこの夏、9年目の北村から6年目の逢沢に代わった。 世代交代が進む最中で挑んだ今大会。投手では2年目の増居や救援で活躍した1年目の後藤、野手でもルーキーの熊田ら若手が台頭した。ベテランと新戦力の力が合わさる中、伝統も誇示。「トヨタは守りのチーム」と口をそろえるナインは全5試合で無失策。増居も「確実にアウトを取ってくれるし、ヒットになりそうなところも救ってもらった」とバックの支えが好投の要因になった。 22年の日本選手権、23年の都市対抗と3年連続で日本一に輝いた。「『名門と言われるチームになろう』とやってきた。これからもリーディングカンパニーであり続けたい」と藤原航平監督(44)。最多タイとした優勝回数も通過点。名門トヨタの歴史はまだまだ続く。
中日スポーツ