子どもにとって睡眠が大切な理由は?JINSが取り組む「寝る育」で睡眠を学ぶ
メガネブランドのJINSが、睡眠をめぐる社会課題解決に向けて取り組んでいる「寝る育」。今回、NTT東日本グループと埼玉県にあるさとえ学園小学校が実施する「睡眠×テクノロジー教育」特別授業に参加。子どもたちにブルーライトの正しい知識や睡眠との関係などについて特別授業を行った。 【写真】ブルーライトを40%カットするJINSのメガネ ■100%のパフォーマンスを発揮するには睡眠が不可欠 今回の授業はさとえ学園小学校の4年生が対象。久留米大学学長で日本睡眠協会理事長の内村直尚先生とリモートでつなぎ、睡眠の大切さについて講義が行われた。まず説明されたのが睡眠の役割について。 【睡眠の役割】 こころ・脳・身体の休養、疲労回復 ストレス緩和 脳の加熱を防ぐための体温下降 エネルギーの保存 身体の成長(成長ホルモン分泌) 免疫機能増加 記憶の固定 内村先生は、「米国での推奨睡眠時間と日本の子どもの平均睡眠時間」や「日本の子どもの睡眠時間、就寝時刻、起床時刻の関係」のグラフを見せながら、小さいころは十分に取れていた睡眠が年齢を重ねるとともに不足していき、中学生、高校生になると睡眠が不十分になる傾向があることを説明。さらに、子どもにとって睡眠が脳や身体にどのような影響を与えるかなどについても丁寧に話した。 また子どもたちにとって興味深いグラフとして「睡眠習慣と成績との関係」を示し、睡眠不足なることで集中力の低下や衝動性が抑制できなくなるなどの悪影響についても説明。成績のいいグループは早く寝て長く眠り、成績の悪いグループは遅く寝て眠りが短いということが科学的に証明されていると話すと、子どもたちも興味深くメモを取っていた。 ■体内時計は光と深いかかわりがある 人間の体には体内時計があり、光によって大きく影響する。子どもたちにとっても身近になっているスマートフォンやタブレット、パソコンなどのブルーライトが睡眠に影響があることは知っている子どもたちは多いが、「夜中にスマホを使うと脳がまだ昼だと勘違いし、夜になっても眠気が起こらず、朝起きられなくなる」と説明され、より納得した様子。光がすべて悪影響というわけではなく、朝光を浴びることは体が目覚めるためにも必要かつ大切なことだとも。 朝の強い光は体内時計をリセットし、朝型化(リズムを前進させる) 夜の光は体内時計を夜型化(リズムを遅らせる) 比留間の光は体内時計にメリハリをつける 青色を多く含む光は体内時計に強く作用(朝昼は〇、夜は×) 子どもは大人に比べて光に敏感、高齢者は光に感受性が低い 子どもはより夜光を浴びないほうがいいという話に子どもたちも納得。最後に内村先生は、睡眠によい環境づくりとして、朝~午前中に日光を浴び、朝食をしっかりとる、適度な運動習慣を身につける、昼寝をする場合は30分以内、そして寝室は暑すぎず、寒すぎない温度でできるだけ静かなところで、ブルーライトを避けて暗くして寝ると説明して終了した。 ■いい睡眠のためにはブルーライトは意識してカットを このあと、JINS側から「ブルーライトってどんな光?」という講義が行われた。悪いイメージのあるブルーライトだが、昼間のブルーライトは子どもに必要な光で、体のリズムを整えてくれる、昼間の集中力向上、近視が進むのを遅らせるといったメリットがあると話した。 一方で夜は内村先生の話にもあったように睡眠の妨げになり、睡眠不足が脳や身体にさまざまな悪影響を与えることを再度説明。スマートフォンやパソコン、タブレット以外にもテレビやLEDなどの照明からもブルーライトを浴びることになるため、普通に生活していてもブルーライトを浴びる生活では、夜はブルーライトをカットするメガネを活用する方法があると説明。 いつものメガネをかけたときと夜ブルーライトカットのメガネに変えたときで睡眠がどう変わったかを10~12歳の小学生男子39人で調べた研究では「早寝早起きが身についた」「昼間のイライラが少なくなった」「友だちにきつい言葉を言わなくなった」という結果が出たことを発表。JINSでは大人用だけでなく子ども向けのブルーライトカットメガネを展開し、普段メガネをかけていない人でも欠けやすいように軽くて柔らかいフレームを採用している。 また、ブルーライトカットレンズの販売もあるので、自分の好きなフレームでレンズをブルーライトカットに変更することもできる。ブルーライトカットメガネは就寝の2~3時間前から着用するといいので、普段からメガネをかけている人は度入りのブルーライトカットレンズがおすすめだと話した。 光と睡眠の関係にも、睡眠不足が引き起こす脳や身体への悪影響についてもしっかり学んだ子どもたち。自分の生活に直結するテーマということもあり、メモを取りながら学びを深めていった。最後は展示されていたブルーライトカットメガネを試着するなど興味津々の様子。 日常の生活の中でブルーライトは避けることができない。それが睡眠の質の低下や睡眠不足につながっていることがわかった一方で、朝~昼間には必要な光であることも子どもたちには興味深かったよう。ブルーライトカットメガネは視力に関係なくかけることの必要性も理解し、睡眠と光についてもより深く学べる機会となった。