日光で巡りたい、美しい新旧名建築 5
和洋折衷の空間が広がる館内には、玄関の回転扉をはじめ、神橋をモチーフにした赤い欄干、「日光東照宮」をイメージして作られた彫刻の数々など、明治時代の趣が感じられる要素がいたるところに。館内を探索して、細かなところにまで散りばめられたこだわりを発見していくのも楽しそうだ。
客室は、4館合わせて全63室。洋室でありながら和のテイストを交えたデザインの異なる様々なタイプを用意している。これまで、日本の近代化に大きな影響を与えたヘボン博士や、アインシュタイン博士、ヘレン・ケラーなど著名な外国人も多数宿泊している。選んだ客室によっては、著名人がかつて過ごした部屋だったということも。ノスタルジーに浸る特別な宿泊体験を堪能しよう。
金谷ホテル歴史館
「金谷ホテル」の歴史を伝える「金谷ホテル歴史館」にも訪れたい。この建物は、「金谷ホテル」の前身となる「金谷カテッジ・イン」として使用されていたものだ。創設者の金谷善一郎がヘボン博士の進言によって自宅の一部を外国人のために貸し出した宿泊施設で、江戸時代に建てられた武家屋敷は「Samurai House」と呼ばれ、外国人が安心して泊まれる宿と高い評価を得た。
建築以降に増改築はあったものの、主要部分は武家住宅の特徴を遺しており、「金谷ホテル」発祥の地として、また武家住宅の遺構として、2014年国の登録有形文化財に登録され、2015年より「金谷ホテル歴史館」の名称で一般公開されている。 「金谷ホテルベーカリー」直営のレストランとベーカリーも併設しているのであわせてチェックを。
日光珈琲 御用邸通
田母沢御用邸正門通り沿いに位置する「日光珈琲 御用邸通」は、大正時代に商屋だった建物をリノベーションしたカフェ。自家焙煎のスペシャルティコーヒーや地元食材を使ったメニューを揃え、太い梁が印象的な商家造りを活かした店内には、アンティークな雰囲気が漂う家具や調度品が。
看板メニューは、店舗の重厚なイメージを表現した「黒カレー」。夏から秋にかけては、日光市内の「四代目 徳次郎」の天然氷を使用したふわふわ食感のかき氷が人気だ。自家焙煎の珈琲シロップを使ったものや苺、抹茶などの味が楽しめる。