緩和ケアと終末期ケアの違いは?専門医が教える病棟を選ぶ際のポイント
――緩和ケア病棟の選び方のポイントはありますか。 お伝えした緩和ケアの概念とは少し異なるのですが、”緩和ケア病棟”としては(診療加算などの関係もあって)悪性腫瘍の患者さんにほぼ限定している病院もあります。相談者の方のケースは心臓弁膜症でしたので、緩和ケア病棟の入院前面談でお断りされてしまう施設も少なくないのではと考えますが、一般論としてNGポイントをあげるとすれば「面会制限が厳しいところ」は避けたほうがよいと思います。 実際に緩和ケア病棟の平均在院日数は数週間とされており、終末期の方も多いのですが、気持ちもふさぎ込みがちな中で1人で過ごすのはつらいことで、ご家族の面会が支えになっている方はたくさんおられます。またご家族の面会はOKでも、友人は面会できない、という施設もあります。ご家族がいなかったり、ご友人が大きな支えになることもありますから、どこかで線を引きたいのは理解はできるのですが、それもどうかと…。緩和ケア病棟は看護師の質の高さや配置の手厚さが売りですが、相性が合う・合わないを含めて、雰囲気など以外で判断するのは難しいでしょう。ですので面会制限は、わかりやすいポイントの1つかと考えます。 ――宇井先生、ありがとうございました。 【宇井睦人医師 プロフィール】 湘南鎌倉総合病院・総合診療科 部長。医師・公認心理師。 2007年 順天堂大学医学部卒業。日本緩和医療学会認定医・研修指導医、プライマリ・ケア連合学会家庭医療専門医・指導医、日本内科学会総合内科専門医、医療政策学修士。著書に『緩和ケアポケットマニュアル(第2版)』など。 ※この記事は宇井睦人医師の見解に基づいて作成したものです。 ※「主治医が見つかる診療所」より
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