エンペラーワケア砂のエースだ、一瞬の猛加速で突き抜けた フェブラリーSに直行/武蔵野S
<武蔵野S>◇9日=東京◇G3◇ダート1600メートル◇3歳上◇出走15頭◇1着馬にチャンピオンズC優先出走権 場内が納得する強さを見せつけた。前2頭の間隙(かんげき)を突いて、1番人気エンペラーワケア(牡4、杉山晴)が突き抜けた。今年の根岸Sに続く重賞2勝目。鞍上の川田将雅騎手(39)はこの勝利がJRA通算2100勝となった。勝ち時計は1分36秒0。距離延長でダートでは初めてとなるマイルも克服。今後は来年のフェブラリーS(G1、ダート1600メートル、2月23日=東京)に直行予定だ。 ◇ ◇ ◇ やはり強い。エンペラーワケアが納得の走りを見せつけた。場内がうなったのは最後の直線残り200メートル。先行していた内ペイシャエスと外サンライズホークと進路が重なり、抜け出すところを探していた同馬。前2頭の間が一瞬開いたチャンスを逃さず猛加速。隙間に入りきってからも力強い脚で抜け出した。終わってみれば1馬身差の余裕があった。川田騎手は「スペースがない中、馬の能力で最後ぎりぎり開いたところを出てきてくれたというところですので、やはり能力の高さを感じる、当たり前といえば当たり前なんですが、素晴らしい馬です」とたたえた。 ここまでダート戦は1400メートルしか使ってこなかったが、マイルも悠々とこなした。年明けには同じ舞台でのフェブラリーSが控えている。管理馬の好走を受けて杉山晴師は「負けても不思議じゃない展開で、川田騎手がしっかり脚をためて最後まで残してくれた。この距離に対応できることが分かった。大目標がフェブラリーSだったのでね」と、さらに飛躍するための収穫を十分に得たようだ。馬の状態次第だが、大一番への直行を掲げた陣営。早くも来年の目玉になる馬が現れた。【舟元祐二】 ◆エンペラーワケア ▽父 ロードカナロア▽母 カラズマッチポイント(カーリン)▽牡4▽馬主 草間庸文▽調教師 杉山晴紀(栗東)▽生産者 下河辺牧場(北海道日高町)▽戦績 10戦7勝▽総獲得賞金 1億6738万1000円▽主な勝ち鞍 24年根岸S(G3)▽馬名の由来 皇帝+ハワイの神様の一人 ◆2100勝 川田将雅騎手が東京11Rをエンペラーワケアで勝ち、史上8人目、現役4人目となるJRA通算2100勝を達成した。同1万2518戦目。JRA重賞139勝(うちG1・27勝)。川田騎手は「また区切りを迎えさせていただいて、ありがたく思います。2100勝するまでにそれだけたくさんの馬に乗せていただいているわけですから、その全ての馬と関係者に感謝の気持ちでいっぱいです」とコメントを寄せた。