【マイルCS・激推し】人気急落の実力馬セリフォス 着眼点ひとつで見えてくる〝変わり身の要素〟
[GⅠマイルチャンピオンシップ=2024年11月17日(日曜)3歳上、京都競馬場・芝外1600メートル] 多彩なメンバーが集結したGⅠマイルチャンピオンシップ。馬券好きにとって、いろんな角度から狙えるレースとなった一方で、実力馬が陰に隠れてしまう一面も。力はあるけど伏兵扱い――。まさにそんな表現がぴったり当てはまってしまうセリフォスに一撃の夢を託したい。
着目すべき前走の内容と談話
府中牝馬Sを強烈な決め手で勝ったブレイディヴェーグに、昨年V後も国内外で好レースを続けているナミュール、そして英国からやってきたGⅠ3勝馬チャリン…。鮮烈なメンバーがそろった今年、2年前の当レース制覇以降、勝ち星ゼロのセリフォスに〝鮮度〟はない。おそらく、川田鞍上でもそこまで人気にはならないだろう。だからこそ、狙いたい。前走の富士Sは、レースを熟視すれば変わり身の要素を残したレースであることが分かるからだ。 「勝ったときと比べると道中行きたがっていて、3角に入ってからもアゴを出すような走りで脚がたまっていない感じ。直線はこの馬らしい脚を使えませんでした。GⅠへ向けてメリハリの利いた走りをさせたかったのですが…」 これがレース後の鞍上・藤岡佑の談話。これを課題が残ったと受け取るか、次に向けて解消すべきテーマが分かったとみるかで、この馬の取捨は変わる。前哨戦はあくまで前哨戦にすぎない。他の馬がスムーズにレースをした中、道中ずっと口を割って頭を上げながら、直線でバテることなく脚を使っていたから〝優秀の4着〟。折り合いという宿題に最高の答えを出せれば、ゲームはひっくり返る。 厩舎の福永助手は言う。「休み明けで体ができていなかったこともあって、序盤から力んでしまい、うまくタメをつくれませんでした。ひと叩きして本番でタメをつくることができれば」。昨年のマイルCS(8着)しかり、休み明けは力みがちになるのが最近のこの馬の特徴。使ったことでそれが改善する可能性があるうえ、一流の中内田厩舎&川田が綿密に立ててくるであろう、修正のための調整がうまくいけば、2年ぶりVのビッグステージが整う。 「馬が最高の末脚を見せてくれました」。一昨年、33秒0の切れ味に驚嘆した鞍上・レーンから出た言葉が、今年は川田から発せられることになる。
東スポ競馬編集部