大学無償化って、子どもが3人以上なら「年収1000万円」のお金に困ってない世帯も利用できるんですか? 正直「不公平」に感じてしまうのですが、本当に全員が無償で通えるんですか?
2025年から始まる「大学無償化制度」は、所得制限なしに利用できることと、世帯は子ども3人以上扶養している世帯に限ることが特徴です。そのため子どもが3人いる家庭では、所得にかかわらず3人全員を新たな制度で入学金や授業料を免除することも可能になります。 極端に言えば、世帯年収2000万円である家庭でも無償化制度を利用できるため、お金に困っていない世帯まで利用できると思われますが、制度には要件があります。 本記事では、2025年から始まる大学無償化制度の対象範囲や上限金額について紹介します。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
子どもが3人いれば絶対無償化の対象になる?
2025年から始まる新たな無償化制度は、所得制限なしに授業料や入学金が全額支給されるもので、対象は子どもを3人以上扶養する世帯となっています。所得の多さは問われないため、一見世帯年収が高額な家庭でも利用できて不公平に思えてしまいますが、新制度は子ども全員が無償化で進学できるような内容ではありません。 新たな無償化制度の対象は「扶養内に子どもが3人いる」ことであり、大学を卒業して扶養から外れた子どもがいて、扶養する子どもが2人に減った場合は、たとえ下の子が高校生や中学生でも無償化の対象から外れます。対象から外れた場合は従来の所得制限のある無償化制度を利用することになり、所得が高額な世帯は利用できません。 無償化の対象となる学校は6年制の学部を含む大学、短大、専門学校など幅広いですが、「実際3人の子どもに無償化制度を適用させる」ことは難しいといえるでしょう。
無償化される金額とは
2025年から無償化となる授業料等免除の金額は、現時点で従来の無償化と同じ額とされています。 図表1
文部科学省 学びたい気持ちを応援します 高校生の皆さんへを基に作成 図表1は、住民税非課税世帯が適用される現在の授業料等減免の上限額です。住民税非課税世帯に準ずる世帯の学生は、図表1の金額の3分の2または3分の1の金額が支援されます。 2025年からの新制度では、図表1の金額を上限として入学金や授業料が免除されることが文部科学省により発表されています。こう見ると子ども3人以上の世帯が優遇されているように感じやすいですが、実際子ども3人全員を、無償化を利用して進学させることは、子ども3人が年子や近しい年齢でないと難しいといえるでしょう。