何が最後のTG戦の明暗を分けたのか…阪神1球の配球ミスとバットを短く持ちノーステップに変えた“代打”坂本勇人のプライド…巨人マジック4で最短27日にV
3年ぶりの中4日登板だというグリフィンがスライダーを武器に飛ばして、佐藤を2打席連続三振に打ち取るなど5回を無失点に抑えると、阿部監督は元阪神のケラーを6、7回に回跨ぎさせた。不安定さがあるバルドナードも8回に中野、森下、大山を三者凡退に斬ってとった。 ただ阪神も無抵抗では終わらなかった。9回、巨人の守護神の大勢に、二死から代打の糸原がボールを叩きつけた。素手で取ろうと手を出した大勢がボールの方向を変え内野安打となった。阪神は代走植田を送り、木浪の3球目に盗塁を決めた。阿部監督がリクエストしたが判定は変わらず。甲子園のボルテージは最高潮に達した。だが、大勢は冷静だった。ボールゾーンに落ちるフォークを選択。木浪のバットが空を切った。 前日に「0―1」で敗れた巨人は阪神との最終戦を「1-0」でやり返した。負ければ、勝率ではまだ上にいるがゲーム差はなしとなり、いよいよ追い詰められるところだった。だが、ゲーム差を2に戻し、マジックが4になった。 バルドナード、大勢にも回跨ぎの準備をさせていた阿部監督は「心臓が飛び出しそうだった」と緊迫のゲームを振り返り、こう語った。 「すごく大きい(勝利)ですけど、まだ試合が続きますんで。油断せずにね、もう一回、1日空きますけど引き締めてやりたい」 最短で巨人は25、26日の横浜DeNA戦(ハマスタ)、27日の中日戦(東京ドーム)と3連勝し、阪神が27日の広島戦(マツダ)に敗れると4年ぶりの優勝が決まる。それでも阿部監督は「マジックは出ていますけど、そんなの関係なく、目先の1試合、勝つために全力で頑張りたい」と言う。 坂本は甲子園のレフトスタンドの一角に残ったG党にこう約束した。 「マジック出てますけど、優勝するまで気を抜かず若手とベテランがチーム一丸となって優勝します」 一方の岡田監督は、囲み取材に応じることなくクラブハウスへ引きあげた。 残り5試合の中で最後の直接対決が1勝1敗では意味がない。この黒星の重さを誰よりも感じとっていたのだろう。 しかし、残り5試合に全勝して巨人が残り6戦で3勝3敗と苦しめば逆転V。1敗しても巨人が4敗してくれれば、まだ可能性は残る。あくまでも他力頼みだが、巨人は、かなり無理をした投手起用を続けていて25日から途中移動日なしのマツダでの広島戦を挟む5連戦で日程的にはハードだ。 巨人が優勝に近づき、そして阪神の逆転優勝が遠のいたことは、事実だが、まだペナントレースは終わっていない。 (文責・RONSPO編集部)
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