「風の丘」で眠る何千台ものクルマたち 家族経営の巨大ジャンクヤードで見つけた珍しい宝物 40選 前編
シボレー・マスター(1939年)
ウィンディヒルの丘の頂上にある草木が生い茂った一角には、戦前のクラシックカーが埋もれるようにして隠れている。車種を特定するのは容易ではないが、取材班はこれが1939年式のシボレー・マスター85の2ドア・セダンであると確信している。 エンジンルームと助手席ドアの開口部から生えている木に注目してほしい。
オースチンA40
希少性の高さが必ずしも価値につながるわけではない。こちらは非常に珍しいオースチンA40 Mk1セダンで、1958年から1961年にかけて生産された16万9612台のうちの1台である。 2ドア・セダンと3ドア・ハッチバックがあり、デザインはイタリアのピニンファリーナ、生産は英国のBMCが担当した。最高出力34ps、排気量948ccのエンジンを搭載し、最高速度は110km/hだった。 イタリアのスタイリングと英国の “精密エンジニアリング” を融合させているにもかかわらず、米国国民は納得しなかった。1795ドルという当時の販売価格もあだとなっており、これはフォルクスワーゲン・ビートルより200ドルも高価であった。
ダッジ(1930年代)
ウィンディヒル・オートパーツの在庫のほとんどは1950年代、1960年代、1970年代のものだが、よく探せば100年前のクルマも見つかる。しかし、一般的に古いクルマほど状態が悪い。数十年かけて徹底的に使い古され、錆びついたボディの外殻を残すのみで、車種を識別するのはかなり難しい。 これは1930年代後期のダッジだと自信を持って言えるが、年式がわかる方はいらっしゃるだろうか?
フォードLTD(1972年)
この1972年型フォードLTDは、ウィンディヒル・オートパーツから今にも飛び出してきそうだ。20年以上(1965年から1986年まで)生産されていたにもかかわらず、その間、フォードは「LTD」が何の略かを説明することはなかった。「ラグジュアリー・トリム・デコレーション」や「リンカーン・タイプ・デザイン」の頭文字といった説が有力だが、実際には特に意味はないのかもしれない。