【行正り香さんにきく〝50代。これからの住まい〟に思うこと〟④】まず「壁は無難な白」をやめてみる。すると部屋の印象が大きく変わります
50代になり、「老後(人生の後半戦)を心地よく過ごしたい、それには住まいについて見直してみたい」という人に向け、料理家であり、北欧インテリアに造詣が深いインテリアコーディネーターの行正り香さんに部屋づくりのポイント教えていただく連載。今回はインテリアと色の関係についてだ。
「こんにちは、行正り香です。 前回は、絵画を飾ることで家のグレードが格段に上がること、ひいては一枚の絵を自宅に飾ったことで『その絵にふさわしい暮らしをしたい』と生活のクオリティまで大きく変わったお宅の事例などをお話ししました。 今回は〝色の決め方、使い方〟というテーマでお話をしていきたいと思います。 まずインテリアを考えるうえで大事なこと、それは大きい面積のものから色や素材を決めていくということ。ここでいう大きいものの筆頭が、壁と床です」
◆壁の塗料は20色くらいトライアルして決定
壁の色は心地よさを左右するもの。 「日本は真っ白い壁の家が多いですが、心地よい印象を与える壁の色は、真っ白よりもアイボリー。そして日本の一般的な住まいの広さを考えると、濃い色より淡い色のほうがおすすめです。 アイボリーとひと口に言っても、1色だけではありません。黄みがかった色、ピンクがかった色、ブルーが入った色などたくさんのアイボリーがあります。 我が家の壁、天井、柱の色も一見ただの白に見えるかもしれませんが、これに決めるまでに20色くらいトライアルしました。
また、統一感を出すために、壁を塗る際に扉や冷蔵庫も同じ塗料で塗ってもらいました。こうすると家電の中でもひときわ大きい冷蔵庫も悪目立ちせず、生活感が出ません。
壁の色を決めたら、次は床の素材と色を選びます。床は壁だけではなく目指すインテリアとの相性もあるので、その点も考えていきます。 我が家の場合、家具はチェリー材のもので統一しているので、床はベージュのウールのカーペットを選びました。 ウールのカーペットは素足で歩くととても心地よく、適度な厚みがあるので足にも負担が少ないのです。しかもお手入れも簡単! おすすめです」