【行正り香さんにきく〝50代。これからの住まい〟に思うこと〟④】まず「壁は無難な白」をやめてみる。すると部屋の印象が大きく変わります
◆茶色のグラデーションをベースに、差し色をきかせる
こうして壁と床の色が決まったら、次は差し色を決めていく。 「これは1色か多くて2色までに絞りましょう。 私の家は家具が茶色のグラデーションで、壁はアイボリー、床はベージュですので、差し色は赤にしました。そこでクッションや、小物、絵を赤が使われているものにし、インテリアに統一感を出しています。 このとき差し色を取り入れる割合は、全体の2割以下に抑えるようにしましょう。 ただ、ここまでやってみた段階で『赤だけだと落ち着きすぎてしまうかな』と考えました。そこで、居間にひとつだけブルーの椅子を入れてみたのです。それによりあえてリズムをくずし、動きを出してみました。このブルー、使用する割合が多いと逆に効果が出ないので、全体の5%以下、なくてもいいかなという程度で抑えてあります。 色に関していえば、ほかには絵と家具もちょっとずつ色つながりを持たせています。例えば、絵の中に使われているブルーと椅子のブルーがつながっていたり、絵の中の赤とクッションの赤がつながっていたりします。 ブルーを取り入れるアイデアは、いろいろなインテリア雑誌や洋書などを見て同じような事例があったので、それを参考に実行しました。私はインテリアに関しては、雑誌や洋書、写真集や映画の中に登場した部屋などで誰かの成功事例を見たら、それを自分の中に落とし込んでアレンジしてみることにしています」
インテリアは金太郎飴のように画一的だと、つまらないものになってしまうケースが多いと行正さん。 「無難にまとまっているけれどちょっと個性を出したいときは、このようにブルーを加えてみたように、あえて違うジャンルのカラーを加えてみるのもおすすめです。 家具も茶色のグラデーションで統一しつつ、でも同じテイストのものばかりで固めないようにしています。 それは同じものばかりでそろえるとつまらなくなってくるからで、我が家では椅子も飛び石のような感覚で形の違うものを間に入れています」