【行正り香さんにきく〝50代。これからの住まい〟に思うこと〟④】まず「壁は無難な白」をやめてみる。すると部屋の印象が大きく変わります
◆小物も並べ方でリズムをつける
「こうしてインテリアのリズムをあえてくずして動きをつけるやり方は、小物を並べるときにも生かしています。 こちらはライブラリースペースにある棚の上ですが、並べ方に工夫をしています。左から右へ、小さなものからだんだん大きなものになるように並べていますが、形や色がそろいすぎないよう、動きが出るようにしています。 また、高くて水やりすることができない場所は、本物のような質感のフェイクグリーンを探して、それを飾っています」
玄関から入ってすぐの梁にも、骨董市や旅先で買い集めた花瓶を置いている。 「こちらも同じ形のものは隣同士にしないことで、動きが出るように並べています。 今回は壁と床の色の決め方、空間全体の統一感の出し方、差し色の使い方、あえて違うジャンルの色や形を少しだけ取り入れることで動きを出すことについてお話ししました。 皆さんもベースカラーと差し色を決めて、自分ならではの部屋づくりを楽しんでみてくださいね。 次回も心地よい住まいづくりのヒントをお話ししていきます。お楽しみに!」
【話してくれたのは】 行正り香さん 福岡県生まれ。高校3年生からカリフォルニアに留学。大学卒業後は広告代理店でCMプロデューサーとして活躍後、料理研究家となる。またデンマーク親善大使に選ばれるなど北欧インテリアに造詣が深く、インテリアコーディネーターやリフォームプランナーとして、多数の家づくりに携わる。料理レシピ本のほか、インテリア本、英語スピーキング教材など著書は50冊以上。2023年、東京国立博物館のアンバサダーに就任。館内のレストラン・カフェ「ゆりの木」の照明ディレクションのサポートを務める。最新刊は「人生を変えるリノベーション」(講談社)。 取材・原文/倉澤真由美 撮影/本多佳子