難しいけど、ゴルフの上達に欠かせない動き! ダウンスウィングで骨盤を移動させる「トランジション」を解説【謎キャラコーチ『わきゅう』の気になる話♯85】
一昨年の全米女子アマを制し、23年12月のプロテストで合格した馬場咲希プロを、中学1年から指導しているのがプロコーチの坂詰和久(さかづめかずひさ)、通称『わきゅう』だ。坂詰コーチと20年以上の付き合いがあるベテラン編集者Oが、謎キャラコーチの気になる話を聞き出す。今回は「骨盤の移動」がテーマだ。 馬場咲希のアイアンショット【連続写真】
O編 前回は、バックスウィングで上半身と下半身に捻転差を作れたら、下半身リードでダウンスウィングできるという話を聞いたよね。 坂詰 そうですね。バックスウィングで上半身と下半身に捻転差が作れたら、下半身が先行した状態になります。そうすれば、仮に上半身と下半身を同時に動かしても、下半身リードの形でダウンスウィングできるわけです。 O編 下半身リードで打つためには、「上半身をトップのポジションに置いたまま、下半身をダウンスウィング方向に動かす」なんていう人もいるけど、そういう意識を持つ必要はないんだね。 坂詰 もちろん、実際にそういう意識でスウィングしているプロはいるでしょうし、その意識で上手くいくならなんの問題もないわけです。ただ、そうやって下半身を先行させようとしても上手くいかない人も多いじゃないですか。それなら、バックスウィングで捻転差を作るほうが簡単だと思うんですよ。 O編 確かに、それでいい動きになるなら、シンプルでいいよね。 坂詰 プロだって、全員が下半身を先行させようとしているわけじゃないんです。名前は出せないんですが、ショットメーカーとして知られるPGAツアーの選手に、切り返しの感覚を聞いたことがあるんですよ。そうしたら、「自分は上半身と下半身を同時に動かしている(下半身を先行させる感覚はない)」って言ってましたからね。 O編 正解というか、感覚は人それぞれでいいんだね。 坂詰 いいんです。正直、ボクもダウンスウィングで下半身を大きく先行させる意識はないんですよ。だから、その選手の話を聞いたとき、「あぁ、バックスウィングで捻転差を作っていれば、(上半身と下半身を)同時に下ろしてもいいんだ。そうやって教えても問題はないんだ」って確信したんです。 O編 じゃあ、今度はダウンスウィングの話を聞きたいんだけど、捻転差のあるトップを作れたら、どう下ろしていくのがいいの? 坂詰 トランジションって言うんですが、まずは、頭をトップの位置に置いたまま、骨盤を左に少し(数センチ)移動させます。そこから前傾角度をキープした状態で、両脚を伸ばして体のコアを回旋させていく、というのが理想ですね。 O編 トランジション(骨盤の移動)から説明してもらおうかな。 坂詰 たとえば、重いモノを両手で持って、体の左側に投げるとしますよね。そのとき、右足に体重をかけたまま投げる人はいません。誰でも、自然に左足に体重をかけてから投げるはずなんです。ゴルフも同じです。スムーズに素早く体を回旋させるためには、体重を左にシフトさせる必要があるわけです。このとき骨盤を左に移動する動きが必要になるんですよ。 O編 骨盤の移動がないとどうなるの? 坂詰 トップでは体重が右足にかかっていますよね。その状態のまま体を回したら、右脚を軸に回ることになるので、体がスピンアウト(左腰が引けた状態) しちゃうんですよ。
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