筋トレを始めるにあたっての最低限で必要十分なポイント・前編(専門家が監修)
負荷を右肩上がりにする努力を忘れない
ギリシャで行われていた古代オリンピックのレスリングチャンピオン、ミロは子どもの頃、子牛を担いで筋トレをしていたという伝説が残る。子牛は育って徐々に重たくなるから、休みなく右肩上がりでウェイトをアップし続けた結果、筋骨隆々のチャンプになれたのだ。 これは、体力や筋力の向上に応じて運動の強度や頻度を段階的に上げる「漸進性の法則」の最古の実践例として有名。 チャンプでなくても、鍛えているうちに筋肉はどんどん太く強くなる。初めは5kgのダンベルで10回やるのが精一杯だったのに、やがて12回以上できるようになるのだ。漸進性の法則を無視して5kgのままで続けていたら、筋肉の成長はそこでストップする。負荷をつねに少しずつ引き上げ、一度に10回がギリギリというレベルをキープし続けたい。
取材・文/井上健二(初出『Tarzan』No.872・2024年1月25日発売)