筋トレを始めるにあたっての最低限で必要十分なポイント・前編(専門家が監修)
パーソナルトレーナーを慎重に選ぶ
本来トレーニングは一人ひとりの目的や体質に合わせるべき。そこで役立つのが、運動の専門家であるトレーナーと1対1で行うパーソナルトレーニングだ。 トレーナーが個人経営するパーソナルジムも増えたが、消費者庁によると2022年2月末までの5年間で、パーソナルトレーニングで筋肉や神経を傷めたという相談が105件寄せられたとか。パーソナルトレーナーには国家資格がなく、その気になれば誰でも名乗れる。どうやって良し悪しを見分けたらいいのか。 大手ジムに通っているなら、そこが認定・公認している人に頼むのが安心。パーソナルジムを探すなら、パーソナルトレーナーのマッチングサイトをチェックしよう。口コミが確認できて、自分に合う信頼に足るトレーナーが探しやすい。
なぜ10回で効くのかを知っている
多くのトレーニーが狙うカラダ作り=筋肥大では、10回×3セットが鉄則。 ただ、どんな重さでも、10回×3セットで効くわけではない。有効なのは、全力(最大挙上重量)の60~80%という高強度で鍛えたときのみ。 全力の60~80%だと、一度にできるのは8~12回。その間を取って10回だ。一度に10回しかできない重さで、限界まで10回やるから効くのだ。20回も30回もサクサクやれる軽めの重さで10回だけやっても、筋肥大は期待できない。 ギリギリの抵抗をかけているから、1セット目は12回こなせても、2セット目は10回、3セット目は8回と減って当たり前。1セット目から12回以上できたら軽すぎるし、3セット目で8回できないようでは重たすぎる。
休憩中にスマホを見ない
筋肉は無数の筋線維からなり、疲労が集中しないようにシフトを組み、休み休み稼働する。1回ごとに働く筋線維は変わるので、1セットで終えず3セット続けて隈なく鍛えることが求められる。 そこで問題になるのが、セット間の休憩(インターバル)をどうするか。 筋肉を大きくする刺激には、負荷のようなメカニカルストレス(機械的刺激)の他にケミカルストレス(化学的刺激)がある。ケミカルストレスは、筋肉を繰り返し動かすうち、溜まる乳酸などの化学物質によるもの。スマホを見たりしてインターバルを長く取りすぎると、化学物質は筋肉から排出されるため、ケミカルストレスが下がり、筋肥大はスローダウンする。60秒以内の短いインターバルでテキパキ鍛えると、化学的刺激を上手に活用できて筋肉はスクスク育つ。