【日本の出生数が30年でなんと半減…!】その中でなぜ「九州の出生率」がこんなに高い…家族構造に大きな理由があった
東西の「家族構造」の違い
近年では、出生率を左右するのはその前段階の「婚姻率」であるという説が有力とされている。結婚する男女が増えなければ、子供も増えないという理屈だ。実際に'20年の統計では、男性の生涯未婚率は関東・東北で高く、四国や九州で低くなっていることが見てとれる。 益田氏がその理由として着目するのは、東西の「家族構造」の違いだという。どういうことか。 「東北では長男が家を継ぐ慣習があり、サザエさんのような3世代同居率が高い。こうした家庭では、老親の世話は長男の嫁が担うことが多く、娘にはその期待が寄せられない。結果、若年女性が他地域に流出し、結婚のハードルが高くなると考えられます。 一方、西日本では昔から親とその子だけが生活する『核家族』が多く、親と息子夫婦が同居することが少ない。なので、老親の世話は近くに住む子供がすればいい、となり、女性が地元を離れることが少なくなります。 特に九州では、就職で地元を離れても福岡に留まる人が多いため、地元の人同士で結婚しやすい土壌があると考えられます」 後編記事『「所得」は出生率にあまり影響しない…九州を調べて解明した「衝撃の事実」』へ続く。 「週刊現代」2024年12月21日号より
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