「心臓リハビリテーション」の対象者はご存じですか? 頻度・費用・注意点も医師が解説!
心臓リハビリテーションをやるのはどんな人? どのくらいの頻度で続けたらいい?
編集部: 心臓リハビリテーションには、どのような効果があるのですか? 飯田先生: 心臓リハビリテーションをおこなうことで、心臓の負担が軽減されたり、息切れなどの症状が改善したり、心臓病患者さんの健康寿命を延ばしたりするといった研究結果が示されています。また、身体的な効果だけでなく、体力を回復し自信を取り戻すことにより、生活の質を高められるといった効果も立証されています。 編集部: どのような人が心臓リハビリテーションをおこなったらいいのですか? 飯田先生: 厚生労働省が定めた心臓リハビリテーションの適応疾患は以下のとおりです。 ・心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患の既往がある ・心不全と診断されたことがある ・心臓の手術(弁膜症やバイパス手術などの開心術やカテーテルによる弁手術)を過去におこなった ・大動脈疾患(大動脈解離、大動脈瘤) ・末梢動脈疾患(下肢の血管の動脈硬化) ほとんどの心臓血管疾患が適応となります。ご自身がこれらに当てはまるかどうかわからなければ、主治医に聞いてみるか、お近くの施設にお問い合わせください。 編集部: どのくらいの頻度で、いつまで続けるといいのでしょうか? 飯田先生: 入院している患者さんは、ほぼ毎日実施することが多いですが、外来患者さんは生活スタイルに合わせて、週に1~3回の頻度で通院していただくと効果的です。保険診療で実施可能な期間は150日間と定められていますが、それ以上の継続が必要と医師が判断した場合は150日を超えても医療保険が適用される場合もあります。 編集部: 栄養指導では、どのような指導を受けられるのですか? 飯田先生: 例えば、糖尿病や肥満の人には、血糖値の改善や血圧コントロールを目的に、摂取カロリーのコントロールや塩分量の管理などを主に指導します。また、心不全の人の場合は低栄養やフレイルに陥りやすいため、タンパク質を中心に、しっかりと栄養を摂ってもらうよう指導しています。割合としては前者が圧倒的に多いですね。