81歳のバイデン米大統領、側近も冷や汗「言い間違い」連発 「記憶力の悪い老人」に激怒→急きょ記者会見→また言い間違い【混沌の超大国、2024年アメリカ大統領選(5)】
アメリカ史上最高齢の大統領、ジョー・バイデン氏は現在81歳。11月の大統領選で再選を果たせば退任時に86歳となる。外国首脳の名前や国名を言い間違えて認知能力の衰えが指摘され、最近の支持率は40%で不人気に悩む。 【写真】バイデン氏、「私の記憶力は大丈夫だ」直後に… 2月
それでも、このままいけば民主党候補としてドナルド・トランプ前大統領と戦う。大統領選のもう一人の主役、バイデン氏の素顔に迫ると、家族を繰り返し失う悲劇を乗り越えて今日の地位を築いた老練政治家の姿が浮かび上がってくる。(ワシントン共同=比嘉杏里) ※記者が音声でも解説しています。「共同通信Podcast」でお聞きください。 ▽言い間違い連発、側近は冷や汗 「ドイツのミッテラン大統領」「メキシコのシシ大統領」「ウクライナに食料や物資を空中投下する」―。 バイデン氏の言い間違いはもはや日常茶飯事。それぞれ「フランスのマクロン大統領」「エジプトのシシ大統領」「パレスチナ自治区ガザ」のことを話す文脈で間違えた。側近やホワイトハウス職員は冷や汗をかく毎日だ。 バイデン氏の私邸などで機密文書が見つかった事件では、今年2月、訴追を見送った特別検察官が「記憶力が著しく限られている」と記載した報告書をまとめた。
この報告書の意味について、特別検察官がこう説明したため米政界に衝撃が走った。 「訴追したとしても、陪審員はバイデン氏を『記憶力の悪い老人』とみて有罪にしない、と判断した」 バイデン氏はこれに激怒。ホワイトハウスで急きょ記者団を集めて非難した。 「私が息子を亡くした日を忘れたとまで書いてある。よくもそんなことを言ってくれたもんだ」 東部デラウェア州司法長官を務めた長男ボー氏は、バイデン氏が副大統領在任中の2015年、脳腫瘍のため46歳の若さで亡くなっている。だが、この場面でも、外交の話でエジプトとメキシコを取り違える失態を犯し、高齢不安に拍車を掛ける結果になった。 共和党のエマー下院議員は早速、X(旧ツイッター)に「バイデン氏に大統領でいられるだけの認識能力がないのは明らかだ」と投稿。CNNテレビは「共和党への政治的な『贈り物』になった」と冷ややかに報じた。 ▽目指すのは「高齢だが親しみやすい大統領」