81歳のバイデン米大統領、側近も冷や汗「言い間違い」連発 「記憶力の悪い老人」に激怒→急きょ記者会見→また言い間違い【混沌の超大国、2024年アメリカ大統領選(5)】
2021年に大統領に就任すると、トランプ政権の同盟軽視とされた姿勢から多国間協調にかじを切り、欧州との関係修復に尽力。22年2月にウクライナ侵攻を開始したロシアに対抗するため、北大西洋条約機構(NATO)との結束を固め、ウクライナ支援の土台を築いた。 インド太平洋地域でも日本や韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)との連携強化を進める。36年に及ぶ上院議員時代、上院外交委員会の委員長や少数党筆頭委員として12年間にわたって米国の外交政策の形成に役割を果たした経験は折り紙付きだ。 ▽懸念は「ガザ」 一方で、昨年10月から続くイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘では、ガザの民間人犠牲者が3万人を超え、イスラエルに寄りすぎだと国内外から批判を受けている。 大統領選で激戦が見込まれる中西部ミシガン州では、アラブ系米国人たちが怒りを募らせ、民主党予備選での落選運動に発展。餓死者が続出するガザの現状を受け、これまでバイデン氏を支持していたリベラル寄りの若者や党内からも、政策転換を迫る声が日増しに大きくなっている。
バイデン氏は、イスラエル軍が計画するガザ最南部ラファへの地上侵攻を「レッドライン(越えてはならない一線)だ」と警告。ガザへの食料投下、人道物資の海上輸送に必要な臨時埠頭建設を始めるなど、ガザ支援策を矢継ぎ早に打ち出した。 だが中東情勢の安定化にはほど遠く、支持者をつなぎとめられるかは不透明だ。トランプ氏との接戦が予想される11月の大統領選まで戦闘が長引けば、バイデン氏にとって大きな懸念材料になるのは間違いない。