81歳のバイデン米大統領、側近も冷や汗「言い間違い」連発 「記憶力の悪い老人」に激怒→急きょ記者会見→また言い間違い【混沌の超大国、2024年アメリカ大統領選(5)】
体力の衰えも隠せない。昨年6月、西部コロラド州の空軍士官学校の卒業式に出席した際、壇上に置かれた土のうにつまずいて転倒。警護担当に介助される様子の動画が拡散し、大きな注目を浴びた。歩く速度はゆっくりで、4歳しか違わない77歳のトランプ氏がエネルギッシュな言動で支持者を沸かせているのとは対照的だ。 高齢不安にどう応えようとしているのか。今年2月末にワシントン近郊のウォルター・リード軍医療センターで健康診断を受けた後、記者が「問題はあったか」と問いかけると、バイデン氏はこう返した。 「医師によると私は若く見えすぎるようだ」 冗談を交えたアドリブはバイデン氏の得意とするところで、オバマ政権で副大統領を務めた8年間や大統領1期目もユーモアを繰り出してきた。 11月の大統領選に向け、中国系動画投稿アプリTikTokにもユーモラスな動画を多く投稿している。最初に投稿した動画は視聴数が1千万回を超えた。
ただ、TikTokを巡っては、下院が条件付きで米国でのアプリ配信を禁じる法案を可決するなど、厳しい対応をしており、バイデン陣営が選挙活動に利用していることも物議を醸している。今後の選挙活動では「高齢だが親しみやすい大統領」が有権者に響くかどうかが注目点となりそうだ。 ▽家族の絆、2人の息子 バイデン氏の50年にわたる政治家人生には、家族との離別がつきまとった。 1972年、29歳でデラウェア州から連邦上院議員に当選した直後、自動車事故で妻と長女を失った。2人の幼い息子はけがを負って入院。自身は病院で就任宣誓をした。 電車で約1時間半かけてワシントンの連邦議会に通いながら子育てをし、77年に現在の妻ジルさんと再婚。娘のアシュリーさんが生まれた。家族の絆の強さを、オバマ元大統領が自伝に記している。 「一家を一目見れば、家族がどれだけジョー(バイデン氏)を支えてきたかすぐに分かる」