パッと見は「超美肌」。でも実は「ビニール肌」なだけ...? "角質のとりすぎ" が怖い理由を専門家医がアンサー
ここ最近、過度なスキンケアによって肌に必要な角質が不足した、通称“ビニール肌”に悩む人が増えている。レチノールを始めとした角質ケアが身近になったことで、この症状に悩む人が増えているそう。本記事では、TVやYouTubeなどでも活躍する内科・皮膚科医の友利新先生に、ビニール肌の原因や、「美肌」との見分け方、対処法まで詳しくお聞きした。しっかりスキンケアをしているのに、なぜか新たな肌トラブルに悩まされているというかたは、ひょっとするとビニール肌かもしれない。 【写真】一番お肌に悪いお酒はまさかの...?知っておきたい「肌に良くないドリンク」ワースト7 思い当たるトラブルを感じたら、以下の要因を参考に自分の肌にあったケアをもう一度考えてみよう。
ビニール肌とは?
“ビニール肌”とは、過度なピーリングなどによって肌表面の角質が削られ、肌に本来必要な角質が不足している肌のこと。まるでビニールの薄い膜を張ったように見えることから、ビニール肌と呼ばれるように。 「皮膚は、通常28日から30日ほどかけてターンオーバーを繰り返します。ところが、過度なスキンケアによって皮膚表面にある角質を削りすぎてしまうと、新しい皮膚細胞の生成が追いつかず、皮膚の角質層がどんどん薄くなっていきます。加えて、皮膚細胞が成長する過程で生成される必要な成分(細胞間脂質やセラミド、ヒアルロン酸など)も不足するようになり、全体的に脂質・水分不足に。ビニール肌とは、このようにしてできた“キメのない薄い肌”を指します」(友利先生) 医学用語ではないものの最近広く知られるようになった背景には、「レチノールを始めとしたピーリング系のスキンケアが身近になったことも関係している」と友利先生。角質は皮膚の最も外側にあり、肌を乾燥や刺激から守る“バリア機能”の最前線となるもの。「角質を削りすぎることで、肌のバリア機能が低下します。肌内部の水分が逃げやすくなって乾燥したり、ちょっとした刺激でも赤みやかゆみを感じるおそれがあります」。
あなたの肌が「ビニール肌」か「美肌」か、見分けるには?
ビニール肌はツヤツヤとして毛穴も目立たず、一見美肌に見えることから、肌の状態が悪化していることに気づかないことも少なくないという。ビニール肌と健康的な肌を見分けるポイントは、ツヤ感の違いだそう。 「健康的なツヤ肌は、水分量と皮脂分泌のバランスが整っていることから生まれる、ふっくらとしたツヤを指します。一方でビニール肌は、皮脂量、水分量がともに少なく、ツヤというよりテカテカして見えるというのがポイント。一見きれいに見えるのですが、キメがありません」 また、かゆみなどの自覚症状もポイントに。「角質が薄くなってバリア機能が低下しているお肌なので、かゆみやチクチク感があったら注意してください」。