テニスショップには様々なブランドのモデルがズラッと並ぶ。素材や構造が違ったり、同じ機種でありながら太さの違いもあり、バリエーションは豊富。選ぶのにひと苦労だ。写真提供：松尾高司

　今回のテーマは「ストリング（ガット）を変更する時の注意点」です。今のストリングがしっくりいかず「違うのを張ってみたいな」と思ったらどうしたらいいか？ おおまかな選び方を紹介しましょう。 【画像】ガットがたわみ、ボールがつぶれるトッププロのショット。3/1000秒のインパクトの瞬間！ 　テニスが上達してくると、色んなことを試したくなります。違うラケットを使ってみたくなったりもしますが、まず「ストリングを調整してみること」を勧めます。どれにしてみたらいいかわからない場合は、とりあえずショップスタッフに相談しましょう。現状と、これからどうしたいかを伝えて、アドバイスを受けるのです。 　ストリング変更にあたって、最大の注意点は「いっぺんに色んな要素を変えない」ということ。素材・構造・太さなど、まずどれか1つを変えてみて、その結果がどうだったかを踏まえて、次のトライアルに進むのです。そう、まるで化学の実験をするようにです。 　また先輩やコーチから勧められたことにとらわれて、「自分はこのタイプじゃなきゃダメだ」みたいな固定観念は持たないようにしましょう。自分の感覚を大切にし、色んな要素についてこだわらないことが肝要です。あなたにとって、まだまだたくさんの可能性が眠っている状態ですから、様々なものを体験して、自分にベストなものを、自分の感覚を信じて探し出してください。 　でも、ゼロからの出発は大変ですから、ここで大まかな方向性を示しておきます。自分がどうしたいかを、この指標に合わせてみて、よりフィットするストリング環境をゲットしましょう。 ◆CASE1＝「打球感」を変えたい場合 　打球感を変えたくてストリングを変更する場合は、まず「張るテンションを変える」ことを試しましょう。硬くしたいなら「テンションアップ」、柔らかくしたいなら「テンションダウン」です。1～2ポンド変えても変化を感じにくいので、思い切って3～5ポンドは変えるべきです。 　明確に違う感覚を求めるならば、ストリングの「タイプ」を変えます。仮に「ナイロンモノフィラメント」を中心に考えると、硬くしたいなら「ポリエステル」、柔らかくしたいなら「ナイロンマルチフィラメント」の方向で考えましょう。