【テニスギア講座】ストリングを変更する時の注意点は? 打球感・耐久性・飛距離・スピン量…4つの基準別に絞り込もう<SMASH>
◆CASE2=「飛距離」を変えたい場合 打球の飛距離に不満がある時のストリング変更の仕方は、ストリングの内部構造を違うものにするか、素材を違うものにするかの選択となります。軽快で俊敏な飛びにしたいなら「ナイロンモノ」。穏やかな飛びにしたいなら「ナイロンマルチ」。ガツンと打って飛ばしたいなら「ポリエステル」を選びます。 ◆CASE3=「耐久性」を変えたい場合 「耐久性」というと“切れない”ことばかり注目されますが、初中級者の場合、ストリングが切れて仕方がないということは、ほぼあり得ないでしょう。つまり、切れにくいポリエステルにする必要が、あまりないと言えます。 むしろ重要と考えるべきは、切れないことよりも「性能的な耐久性」です。最も性能寿命が長いのは「ナチュラルガット」ですが、初中級ならば「ナイロンモノ」か「ナイロンマルチ」を選ぶのが無難です。 ポリエステルは性能寿命が非常に短いので、あまり張り替えないという方には向いていません。ストリングは「生きた状態」で使いましょう。 ◆CASE4=「スピン量」を変えたい場合 よく「スピンがかからなくて困っている」という声を聞きますが、最大の原因は「スイングの仕方」です。それを直した上で道具に頼りたいという時、初めてストリングの種類を検討しましょう。 スピン回転がかかるメカニズムは様々ですが、ハイパワー上級者であれば、縦ストリングが横ズレして戻る「スナップバック」が起こりやすい「丸形断面」を選びます。逆にスイングは速くないけどスピン量を増やしたいという方は「多角形断面」のストリングによる「引っかかり効果」で対応します。強烈インパクトの方にとっては、多角形断面はスナップバックが起こりにくくなります。 * * * 今回述べたことは“絶対”ではなく、もちろん他の選択肢もあります。でもまずは基本的な方法を覚えて、焦らずに、自分にとってより最適なストリングを探していきましょう。 文●松尾高司(KAI project) ※『スマッシュ』2023年7月号より抜粋・再編集