ブラジルメディアもザックJを酷評 「世界で戦うには力不足」
日本×コロンビア戦が行われたクイアバのパンタナル・アリーナは、コロンビアサポーター一色となった。クイアバの地元メディアも、次々とこの試合結果を大きく報じた。もちろん、記事の主役は、すでにグループリーグを突破しているコロンビアだ。 日刊紙『フォーリャ・ド・エスタード』は、「パンタナル・アレーナでの最後の試合でコロンビアが日本に大勝」というタイトルをつけた。「一次リーグを勝ち上がるために勝利が必要な日本は、香川、岡崎、本田らが果敢に攻撃した。しかし、CB今野の無用なPKで先制を許し、暗雲が立ち込める。それでも、前半終了間際に右サイドからの本田のクロスを岡崎が見事なダイビングヘッドで決めて日本人サポーターに希望を抱かせた。しかし、コロンビアは後半から攻撃の中心ハイメ・ロドリゲスを投入。カウンターからマルティネス、ロドリゲスが得点を重ねて完勝した」と試合経過を追う形で報じた。 同じく地元紙の『ジアリオ・デ・クイアバ』は、手厳しく日本代表を評論していた。「日本のサムライたちは勝利を目指したが、コロンビアの選手とは個人能力でも組織力でも大きな差があった。世界トップレベルのアタッカーを抑えるには守備力が決定的に不足しており、攻撃でもアイディアが不足していた」。不足という言葉が、繰り返された。 日本の選手の多くが「実力不足」「未熟」というコメントを口にして、敗戦を総括していたが、サッカー王国、ブラジルのメディアの目にも、日本が世界レベルに足りない部分を明快に指摘していた。サンパウロのスポーツ紙『ランセ!』は、「日本は勝利を目指して必死に攻めたが、後半から登場したロドリゲスに決定的なパスを供給し、見事なゴールを決められて轟沈した」と書いた。 『ランセ!』の恒例の採点表を見ていると、日本選手では本田に最高の6点(10点満点)を与え、岡崎、香川、青山が、それぞれ5.5点。最低点は、前半17分に痛恨のPKを与えることになった反則を犯してしまった今野の2.5点だった。ちなみにコロンビアの選手では、後半から投入されて流れを変えたロドリゲスとジャクソンに最高の7.5点を与えていた。 (文責・沢田啓明/ブラジル在住フットボールジャーナリスト)