ハイブリッド車の事故に遭遇したら? もしもの時のレスキュー法
次にエンジンルームなどにアクセスして(プリウスはトランク、アクアはリヤシート下)、車両火災防止のためにバッテリー端子を外す。これは車両システム停止の念押しの意味もある。バッテリーがエンジンルームにあり、ボンネットを開けなくてはならない場合「ステップ1」がきちんと終わっていないと、エアバッグ同様の誤作動リスクがある。 それはポップアップフードだ。このポップアップフードは、対人事故の際の負傷を軽減するために火薬でボンネットを浮かせて衝撃を吸収する仕組みだ。事故車のエンジンルームへアクセスしようとしてこれが作動すればやはり怪我の恐れがある。「ステップ1」をしっかり確認してからボンネットを開けるようにしたい。 バッテリーにアクセスしたら、マイナス側の端子を外す。こうして電気系統を遮断すれば、安全装備の誤作動と車両火災のリスクはほぼ回避できる。
「エンジン火災」ならボンネットを開けない
また気をつけなくてはならないのが、すでに車両火災が起きている場合だ。エンジンルームから火が出ている場合は、絶対にボンネットを開けてはならない。ボンネットを開けると酸素供給量が増えて、火炎の勢いが一気に増す。くすぶっていた程度のものが炎上になってしまう。 こうしたケースでは、自分の安全に十分に配慮しながら、搭乗者の救助を行う。バッテリー端子が外せない場合はもう諦めるしかない。緊急時のレスキューでは、人命がかかっていることも多く、ケースバイケースを優先しなくてはならない。状況に応じた柔軟性は必要だ。ただし柔軟性とはあくまでも基本があっての話。原則としての作業手順はしっかりと頭に叩き込んでおきたいものだ。 (池田直渡・モータージャーナル)