ハイブリッド車の事故に遭遇したら? もしもの時のレスキュー法
これらの全てを止めるには、いくつかのステップが必要だ。当たり前だがまずはメインスイッチをオフにすることだ。従来型のキーならオフの位置へ回す。ロックはしないで済むならしないほうがいい。スマートキーならエンジン/パワースイッチでオフにして、スマートキーを車両から5メートル以上離す必要がある。こちらはロックがかかってしまうが仕方がない。これで「ステップ1」は終了だ。 ただしエアバッグやシートベルトプリテンショナーはこの車両停止操作の終了から90秒間のスタンバイ時間がある。搭乗者の状態の緊急性にもよるが、可能であれば90秒経過後に次の操作に移りたい。
《ステップ2》バッテリー端子を取り外す
次はバッテリー端子の取り外しだ。ハイブリッドやPHVには「動力用バッテリー」と「補機バッテリー」がある。車両システムは補機バッテリーで作動しているので、それを処理すれば完全に停止できる。ちなみに動力系のシステムには最大で650ボルトの高電圧がかかっている。このシステムのケーブルなどは全部オレンジ色で統一されているので、絶対に触らないことだ。高電圧系は場所によって車両システム停止後10分程度は高電圧が残っている場合がある。 原則的には、高電圧系は車体と絶縁されており、安全なシステム構成が取られている上、車両システムがオフになれば、高電圧系も連動してオフになる仕組みになっている。さらにトヨタの場合、エアバッグが作動すると高電圧システムは自動でシャットダウンされるなど二重三重に安全システムが構築されている。しかし、万が一オレンジ色のケーブルが断線しているのを見つけたら、車両には触らず、プロの到着を待った方が賢明だろう。ケーブル断線を起こすほどの衝突事故であることを考えるとリスクは相応に高い。 また、何らかの事情でイグニッションキーやエンジン/パワースイッチが操作できない場合(おそらく搭乗者がかなり絶望的な状態だろう)は、エンジンルームのヒューズボックスを開け、メインヒューズを外す。どれがメインヒューズか分からない場合、全部外してしまえばいい。